紙上ブログ 不動産屋の独り言 541 賃貸現場の喜怒哀楽 坂口有吉 若い男性客の〝ドタキャン〟 無頓着さが許しがたい
住宅新報 2020年2月25日 号 6面
多摩郊外の古い貸家に、若い男性客から「中を見せてほしい」と不動産情報サイト経由で問い合わせが入った。私は、名前とメールアドレスだけの場合は返答しないことにしているが、その問い合わせには携帯番号が記入されていたので案内することにした。なぜなら携帯番号が未記入のケースではイタズラであることが多いからだ。
携帯番号は必須に
中にはまともな問い合わせもあるだろう。だが、いくら不動産会社が信用できなくても最低限に満たない情報しか出さずに「物件を見たい。案内してくれ」と言われても、仮に契約に至ったとしても、のちのち苦労するのが目に見えている。個人情報保護に関して厳しい制約があるが、携帯番号さえ教えないような人物の相手はしたくない。その件では、先の情報サイトにも「携帯番号は入力必須に」と提案しているが、前向きな回答は得られていない。
さて、例の男性客とは、多摩郊外の貸家を現地待ち合わせで内見してもらうことになった。しかし、私が駅改札を入った直後にCメールで「キャンセルしたい」と伝えてきた。まるで私に嫌がらせを仕掛けて、私が改札を通るのをどこかから見届けてメールを送ってきたようなタイミングだ。すぐに「キャンセル自体は仕方ありません。ですが、私はもう改札を入っています。キャンセルはたった今決めたわけではないでしょうから、もっと早く連絡していただきたかったですね」と返信したが、何の連絡もなかった。まぁ、そんな不誠実な人間が入居しなくてよかったと思うことにしたが、許しがたいドタキャンだった。
〝ご縁〟逃す
その案内は前日に約束していたもの。実は5分遅れて別の女性からも問い合わせが入っていたが、一応早いほうを優先していた。私は店に戻って、その女性に「先のお客さんはキャンセルになりました」と連絡をしたが、既に別の物件で決まってしまっていた。その女性を案内したとしても決まったかどうかは分からないが、そういうことは往々にしてよくある話。客のほうは無頓着で、「自分がキャンセルした後のことは知らない。もう関係ない」としか思わないだろうが、不動産会社だけでなく、他のお客さんにも迷惑をかけていることに思い至ってほしいものである。 (坂口有吉不動産・社長)























