ADRの現場から 話し合いでトラブルを解決 102 日本不動産仲裁機構 空き家に関するトラブル事例
住宅新報 2020年1月28日 号 8面
連載: ADRの現場から
全国で増え続けている空き家。国や地方自治体では、空き家をそのままにはせず、なんらかの処置をしていくために、空家等対策の推進に関する特別措置法等における対策を推進しています。しかし、空き家の中には長期にわたり、「放置」されていたものも少なくなく、これが処置をしていく上での弊害となり、さらにはトラブルを引き起こすケースもあるのです。
A氏は厚木市に父親の相続で譲り受けた戸建ての住宅を賃貸に出していましたが、B社が相談を受けた当時は空き家となっていました。なお、その物件は築45年というだけあり老朽化がひどく、雨漏りが原因で床などの腐食が多数発生している上に、前に住んでいた人の荷物も大量に残されていました。A氏はこの戸建て住宅について、過去にいくつかの不動産会社へ相談したそうですが、相談そのものを受け付けてもらえなかったり、受け付けてもらえたとしても、途中で投げ出されたりしたということでした。
B社がこの物件を調査したところ、ある問題を抱えていたことが分かりました。この物件は旗芋地に建てられている住宅であり、A氏の敷地は、A氏も含めて3人が共有している通路に面していました。このような共有の通路に面している場合、家の建て替えでは必ず通路のすべての共有者から建て替えに同意する承諾書をもらう必要があります。しかし、共有者の一人であるC氏からは、以前、強引に交渉を進めた別の不動産会社の非礼により、承諾書がもらえない状態でした。承諾書の取り付けができない限り、建築基準法上の道路に接していないとみなされてしまい、建て替えはできません。
























