先日、友人からちょっとした相談を受けました。友人の息子さんは一流国立大学の工学部建築課程に入学して、この春2年生になり進路を確定しないといけないのですが、文系の父親とは将来のことなど話し合う気はないらしく、夫婦で悩んでいるとのこと。筆者に息子の話を聞いて進路をアドバイスしてやってくれないか、というのが相談の大意でした。
そこで息子さんと面談したのですが、典型的な偏差値重視の受験勝ち抜き組で、特にデザインや建築に興味があるわけでもなく、絵画や音楽にも興味があるわけでもなく、「勉強だけが」できるであろう素直な青年でした。アドバイスは「構造設計の道に進んではどうか」という至極当然な結果になってしまいましたが、同級生には達者なスケッチや造形をする人もたくさんいて、建築意匠方面へはかなりの脅威を感じていたようであり、「構造設計の道」という提案にホッとしているようでした。
大規模な建築は意匠、構造、設備、積算が協働して工事を進めます。案件にもよりますが、工事過程の主従でいえば意匠が主で、構造、設備、積算は従という関係が一般的です。したがって完成した建築物は設計者の名前で広まり、協働した構造、設備、積算関係者は業界だけで知られ、一般に知られることはありません。また、昭和~平成初期の組織では意匠設計偏重で、その他は構造屋、設備屋などと一段下に見られてきました。

























