ADRの現場から 話し合いでトラブルを解決 100 日本不動産仲裁機構 改めて事業者にとってADRとは
住宅新報 2020年1月14日 号 8面
連載: ADRの現場から
ADRは、「より当事者の求める形」でのトラブル解決を図るために作られた制度です。その特徴であると共に通常の裁判との違いは、「当事者間の自由な意思と努力に基づいて紛争の解決を目指す」ということ。これによって、「覚悟を決めて裁判を起こす」もしくは「面倒ごとは嫌なので泣き寝入りをする」という両極端な二択の中間的な判断として「まずは話し合いによる解決を目指す」という段階的な選択肢を消費者が選択することができるのです。
なお、ADRのメリットは事業者も享受することができます。事例を紹介します。中古物件を購入した買主が物件に瑕疵を発見しました。そして買主は、売買仲介を行った不動産会社に「瑕疵があったことは聞いていない。このことを知っていたら、買ってはいなかった。売主に補償をさせて欲しい」とクレームを入れました。しかし、不動産会社が売主にこの旨を伝えたところ、「瑕疵の件は伝えていた。買主が認識していなかっただけではないか」と言われてしまいました。
この件を抱えることになってしまった不動産会社は、解決の糸口を見いだせずに、その対応によって時間を浪費し、心労を積み重ねていくことになってしまいました。しかし、ADRの存在を知り、「誤解があるかもしれないので、まずは話し合ってみましょう」という解決手法を提案したことで、解決させることができたのです。
























