紙上ブログ 不動産屋の独り言 530 賃貸現場の喜怒哀楽 坂口有吉 手数料を出すか、出さないか 似た状況で分かれる対応
住宅新報 2019年12月3日 号 6面
似たような状況で、「手数料を支払います」と言う業者と、「出せません」と言う業者がいた。前者は町場の小さな不動産会社、後者は大手の不動産会社だ。しかも、手数料を支払う、支払わない、というだけの差ではなかった。
信用できる業者
うちのお客様が一棟売りのアパートを探していて、ある業者の専任物件を案内すると決まらず、継続して物件探しをすることになった。最初の案内の際、元付業者が来て鍵を開けてくれたり詳細な説明をしてくれたりしたので、当然、お客さんと面識はあるが、私はそのことで全く心配はしていない。なぜなら、お客さんは自分で見つけてきた物件を当社に持ち込んできて「どうせ手数料を払うなら坂口さんに」と言っている。私が「手数料は半分でいいよ」と言っているのに「いいえ、これからも何かと相談に乗ってもらうから、きちんと全額取ってください」と言う人だからだ。
2週間ほどして、先日の業者からメールがあり、「近々当社で別の物件を案内しますが、もし決まったら御社に手数料をお支払いします」とのこと。お客様もこの会社も信用できるのでお任せすることにした。
一方、逆のケースも。うちの家主が現在住んでいるマンションを売却して引っ越すことになり、転居先探しを依頼されたので、検索して一覧をFAXし、「気になる物件があれば詳細を取り寄せます」と伝えた。「こんなところまで来てもらったら申し訳ないので自分で見てくるわよ。もし先方の業者が物件まで来るなら坂口さんの名刺を渡して、申し込みは坂口さん経由にするから」と仰っていた。私は売却のほうで手数料を頂くので、購入に関しては手数料を放棄して、その分安く購入して頂くつもりでいたが、大手業者は「それだと手数料は出せません」と言う。私は構わないが家主さんに申し訳ないことをしてしまった。
タダ使いする業者
ところが、である。その大手会社は売却したマンションとの絡みで、「買主からこんな書類をもらってくれ」や「日程の調整をしてくれ」だのと私に何度も依頼してくる。手数料は払えない、と言いながら、私をタダで使おうする。家主のために我慢したが、本音では「自分でやれよ」と思っていた。
(坂口有吉不動産・社長)























