紙上ブログ 不動産屋の独り言 賃貸現場の喜怒哀楽 528 管理会社としての〝いい働き〟(1) 『ペット不可』で飼育希望
住宅新報 2019年11月19日 号 6面
当社の管理物件(全6世帯)に入居する若い夫婦の奥様から電話があった。「うちのアパートは『ペット不可』なのは承知しています。ただ、昨日、ショッピングモールでペットショップをのぞいたとき、ピンとくるワンちゃんと出会ってしまったんです。今日も見に行くので、坂口さん、付き合って頂けますか」と言う。私が見て、「うん、確かに可愛い」と思ったところで、それで『ペット可』物件に変わる訳がない。『ペット不可』を『ペット可』に変更するのは至難の業。まず家主を説得しなければならないのはもちろんのこと、他の入居者全員の了解を取らなければならない。なぜなら、中にはペットアレルギーの人もいるかもしれないし、ペットが嫌いな人だっている可能性もある。
交渉は難儀か
「『ペット不可』というから借りたのに」と言う人もいるだろう。だから、多数決ではなく一人でも反対したらダメなのだ。実はそのアパート、同じ敷地の中に同じファミリータイプの4世帯のアパートが建っている。そちらは最初から『ペット可』で募集している。同時に建てた2棟のアパートを『ペット可』と『ペット不可』で分けていたし、このご時勢なので、「ペットの飼育を認めたほうが空室になる確率は低くなるかと思います。他の入居者が全員了解したら『ペット可』物件にしてはどうでしょう」と聞けば、家主が了解してくれる可能性は高い。第一、家主のお宅でも犬を飼っているのだから。ただし、もし私が家主と入居者の説得に失敗したなら、その夫婦は退去してしまうだろう。そのワンちゃんの飼育を諦めるのでなく、アパートを引っ越すことになると思う。奥様はとにかく一途な人だから。























