大手不動産、飲食店中心の都市型商業施設に注力 オフィス、ホテル立地の隙間狙い ECで代替不能な“体験”提供
住宅新報 2019年11月19日 号 4面
11月16日、「GICROS GINZA GEMS(ジクロスギンザジェムズ)」がオープンした。11階建てのビルに地下1階から地上2階の物販店舗を除き、各業態の旗艦飲食店が出店。銀座エリアでは貸床で40~50坪、席数で60~80席程度の飲食店のニーズが強いという。
野村不動産が展開する「GEMS(ジェムズ)」シリーズは、50~100坪の敷地に、飲食店を集積した都市型商業施設。従前の用途として駐車場や雑居ビルなどを建て替える。東京、大阪で14棟を開業しており、11月21日にオープン予定の「GEMS栄」で、名古屋での展開を開始する。
同シリーズに入居する店舗の平均客単価は、約5000円と想定。ジクロスギンザジェムズについては、平均よりも客単価は高いが、上層階に客単価が高い業態、低層階により客単価がこなれた業態とした。住宅地、オフィス、繁華街といった周辺環境に合わせてマーケティングを行い、出店する店舗の業態構成を変えているという。
飲食店は、物販と比べ飲食店で食事をする需要が永続的にある。加えて、周辺ニーズとして食事をする場所が少ないエリアであれば、飲食店を集積することで小規模でも目的性が高い施設になる。
野村不動産は「商業施設の中でも堅調で、ECで代替できないレストランなどは堅いと読んで、リソースをシフトしている」と話す。今後は年間4棟を目標に、合計20棟の事業化を見据える。
狭小でも事業性高く
東京建物は、飲食店を中心とした都市型商業施設「FUNDES(ファンデス)」シリーズを4棟展開。20年1月15日には「FUNDES銀座」(東京都中央区銀座8丁目)を開業する。8店舗が入居し、新業態のラグジュアリーカラオケやマジックレストランなど「大人を解き放つフード&エンターテインメント」をコンセプトとする。
都市型商業施設はオフィスやホテルと比べて、床面積当たりの賃料が高く、立地条件が合えば狭小でも事業性が高い。高橋浩商業事業第二部長は、ファンデスを展開した経緯について「大型の商業施設はECの影響で厳しい。選択肢の一つとして、ECの影響を受けない都市型へシフトした」と説明する。また、都市型商業施設のメリットとして、リートへの売却で、短期間に資金回収できることもある。そのほか、ヒューリックなども飲食が中心の商業施設の開発に着手している。ECの普及が招いた新たな都市型商業施設に、不動産業界の視線が集まりつつある。
























