地域が変わるインバウンド 交流人口増加がもたらす恩恵 116 アートで地域の訴求力アップ(3) 壁画の街歩きに沸く広島市横川
住宅新報 2019年11月5日 号 9面

横川シネマが入る建物には大きな壁画が描かれている
アトリエに提供した
今回紹介する広島市の横川には、ゲストハウスがあり、世界中から観光客がやって来る。市内観光も便利であるが、この界隈の雰囲気を気に入ってリピートするお客さんもいる。その魅力の一つが、アートだという。なぜ、このエリアなのか。
横川商店街組合のビルには「横川シネマ」という映画館があり、昔から地域のシンボル的存在となっていた。一般的な映画館とはラインアップが異なり、アート系の作品を中心に上映していたため、そうした映画を好む人たちがこの界隈に集まっていた。横川はもともとアートと親和性の高いエリアだったのだ。
しかし、アートの街となったのは、そんなに古い話ではない。商店街の担当者によると、ことの発端は、広島市立大学芸術学部の卒業生が、500キロもある版画の機材をもらい受け、アトリエ探しに困っていると聞き、たまたま商店街ビル内に30坪の空室があり、そこなら広くて重い機材を置けるとのことで紹介したところ、すぐに入居が決まった。現在は「横川創荘」というシェアアトリエとして展開している。
壁画アートを大歓迎
その後、他の空き店舗を家主の好意によりレンタルギャラリーとして活用できることにもなった。おかげで、この界隈は多くのアーティストたちの活動拠点となったのだ。中には建物の壁面にスプレーで絵を描くアーティストもいて、商店街組合ビルの壁面にも大きな壁画を描いてもらったそうだ。すると、それを見る目的で人が訪ねて来るようになり、他のビルオーナーたちも壁画を依頼するようになった。現在も、壁画は増加を続けているという。
アートツアーも出現
商店街では、それをツアーとして街歩きができるように、歴史と合わせて訴求している。そのための街歩きマップができたほどだ。また、このような訴求ポイントができたおかげで、地元のゲストハウスでも、マップを渡してエリアの紹介がしやすくなったと喜んでいる。
「広島ゲストハウス縁」では、スタッフがバーカウンターで接客しながら、旅のアドバイスをし、更に旅行者同士を紹介することもある。地元の住民も食事に来るので、旅行者が知りたいことについて詳しい人がいれば紹介する、いわば「縁結び」の場所となっている。横川はアートを応援する場所であり、それをつなげる場所だ。かくして外国人旅行者が増えてきた。
























