アイバイヤー型サービス続々 中古不動産の早期売却へ
住宅新報 2019年10月29日 号 6面
中古不動産の売却には内見対応や価格交渉、購入者の与信調査などの業務が必要となり、一般的に売り出しから価格決定まで1~2週間、成約までに3カ月から半年間を要する。そんな中、即時査定・現金化する「アイバイヤー」サービスが登場している。
買取再販事業のすむたす(角高広社長)は、AIを活用した中古マンションのオンライン直接買取サービス「すむたす買取」を18年10月にリリースした。18年1月設立の同社では、自社開発した価格査定アルゴリズムにより最短1時間で買取価格を提示し、最短2日で売買契約と現金入金までを可能とする。同社広報の岩田知歩氏は「ユーザー目線では、仲介手数料が不要な上、初めからコミット価格が提示できるのが強み。スピード重視で楽に物件を手放せるので、売却活動にかかる心理的負荷やストレスが少ない。相続や離婚による売却など、〝より速く、より好条件の売却を〟というニーズに応えたい」と話す。これまでに十数件の買取実績があり、19年7月には累計査定総額が500億円を突破した。
不動産売買やスペースのシェアリングを行うリルーク(和賀林太郎社長)もこのほど、複数会社の買取価格を一括提案し、最短1週間で現金化できるサイト「買取タンク」のベータ版をリリース。ユーザーはオンライン上に所有物件の簡単な情報を入力することで、複数社からの即時買取価格が把握できる。諸条件を比較できることで取引の透明性を担保すると共に、好条件の会社との直接契約となるため仲介手数料は不要だ。窓口は同社が一元管理し、売買業務に詳しい同社社員が不動産の個別性を勘案して調査等を行うため、買取会社の負担や手間も少ないといった利点もある。また、投資用の中古不動産を手掛けるランドネット(榮章博社長)は、「LANDNET One」として都内の区分所有マンションなどを対象に最短1日での査定、現金支払いに対応している。
〝出口〟を強化
すむたすは、今年8月、家を買いたいユーザーへアプローチする直販サイト「すむたす直販」をリリース。仕入れた物件の〝出口〟となる販売網を整備することで、入り口となる「すむたす買取」の集客を強化する狙いだ。自社物件にとどまらず、他社のリノベーション物件も無料掲載とし、10月15日時点で物件掲載数は約140件を数える。「『すむたす=直販サイト』というブランディングを図るため、サイトに掲載するリノベーション各社から掲載料や成約手数料は一切いただかない。手軽に住み替えができ、新しい暮らしが手に入るという文化を日本に根付かせたい」(岩田氏)と説明する。
なお、同社では自社のブランディングを図ると共に不動産会社との連携も重視しており、仲介会社が「すむたす買取」を利用できるよう無料SaaSとして提供している。不動産オーナーおよび仲介会社が即時買取という選択肢を持つことで、幅広い顧客の要望に対応していく考えだ。























