明海大学不動産学部 不動産の不思議 学生たちの視点と発見 第297回 公園のカフェ 多様性と奥ゆかしさに注目
住宅新報 2019年8月27日 号 4面
【学生の目】
住みたい街のランキングで1位のことも多い吉祥寺に行った。気温が高く、立っているだけで汗がにじみ出る日だったが、お店がたくさん並び、人であふれかえっていた。
吉祥寺といえば何といっても井の頭公園なので、まず公園に行った。公園内の建物にはいくつか特長がある。敷地の範囲が不明確で、接道義務や容積率制限など基本的な事項から不思議だ。
入り口近くにあったトイレでは、一般の建物では女性のトイレを目立たないように奥に、男性のトイレを手前に配置するが、公園では防犯対策のため女性のトイレが人目につきやすい手前にある。そんな話をしているとき、木々に囲まれて涼しそうなカフェが目にとまった(写真)。
目にとまった理由を考えると、まず、石の階段を上って入るのだが、蹴上げが低く、カフェに入りたくなるようなデザインになっている。次に、建物の高さが低く、親近感がわく。更に、テラスと屋内が一体的な空間になっていて、オシャレに感じる。その要因は、テラスと屋内の天井高と仕上げが同じであることと、仕切り壁が天井までガラスで連続性と解放感があることだ。一般の建物でも用いられることはあるが、下から見上げる場所に建っているために際立った印象を受ける。
また、カフェの前にはたくさんの大きな木があり、一見カフェの外観を邪魔しているようにも見えるが、一方では屋根に付いている設備やゴミを隠している。うまく木を利用し、特に見えなくてもよい部分を隠す木のカーテンにしている。
公園内のカフェはどのようにして開くのか気になった。公園の管理者から占用許可をもらうのではないかと考え、井の頭恩賜公園のホームページを見ると、占用許可について書いている部分があり、工事をする場合の工事の概要、趣旨、内容、案内図、位置図などの提出事項が書かれている。申請することで許可が出る仕組みになっている。
公園内にカフェや売店を置くことで、人が集まるような環境となり、防犯対策にもなっている。この日の井の頭公園には外国人が多く、来日外国人観光客は更に増加すると予想されている。公園好きの外国人の増加によって公園内のカフェや売店の需要も増えるのではと考える。広い公園は歩いているだけでとても疲れ、喉も乾く。自然に溶け込んだ公園らしいカフェを造るのはとてもいいと感じた。
【教員のコメント】
公園の中の建物は多様性に富む。トイレなど、設計競技の最優秀作品を実現した作品は多くの場合、個性的な造形が遠くからでも目立つように配置する。一方で、粗末な印象ながら周りとうまく調和した環境共生型のものもあって、奥ゆかしい。























