森ビル 都心開発の系譜 (上) 虎ノ門・麻布台プロジェクト 「ヒルズ」の全ノウハウを投入 緑の広場に超高層3棟 六本木ヒルズに匹敵する規模
住宅新報 2019年8月27日 号 4面
同プロジェクトは、「アークヒルズ仙石山森タワー」に隣接した立地。日比谷線神谷町駅付近から南北線六本木一丁目駅付近にかけて広がる起伏ある敷地で、六本木ヒルズと並ぶ規模の再開発となる。
同プロジェクトは、オフィス、商業施設、同社で最大供給戸数となる住宅、日本初進出の高級ホテル、インターナショナルスクール、生活支援・交流施設などを整備する。高層棟3棟のうちメインタワーは高さ約330メートルで、高層階には世界レベルの住宅90戸、7~52階にはオフィスが入居。低層棟では、スモールオフィスも整備する。
また、東西約700メートルの地下の歩行者用道路で地下鉄神谷町駅と六本木駅を結ぶ歩行者ネットワークを実現する。自立・分散型エネルギーシステムの導入や帰宅困難者の受け入れなど防災対応力を強化。更に、住宅などの雑排水活用による水資源の活用や自然エネルギーの活用など環境負荷の低減を図る。
緑とウェルネスが柱に
最大の特徴は、コンセプトの柱である緑。敷地の中央に緑化された広場があり、「まずは広場を確保して、空いたところに建物を配置する」(辻社長)という新たな手法で開発する。同プロジェクト全体で約57%を緑化し、隣接する「アークヒルズ仙石山森タワー」の生物多様性の取り組みも拡大。これにより、人と自然がオープンでシームレスにつがなる空間を目指す。緑化手法としては壁面緑化もあるが、平面の緑化と比較して維持・管理コストがかかる点も配慮した。
同プロジェクトの周辺は、同社が整備してきた「アークヒルズ仙石山森タワー」のほか、「アークヒルズ」「愛宕グリーンヒルズ」「虎ノ門ヒルズ森タワー」がある。更に、現在整備を進めている「虎ノ門ヒルズビジネスタワー」、「(仮称)虎ノ門ヒルズレジデンシャルタワー」、「(仮称)虎ノ門ヒルズステーションタワー」と集積している。
これらは外苑東通りから桜田通り、外堀通り、麻布通りで囲むエリアに隣接。このエリアは、ビジネス、交流拠点としての機能強化に加え、緑地も拡大し、緑化空間が01年の約10.3ヘクタールから約16.5ヘクタールへ拡大する。
コンセプトのもう一つの柱であるウェルネスは、ハードとソフトの両面で心身の健康をサポート。敷地内の医療施設を核に、スパやフィットネスクラブ、レストランといった施設のほか、広場や菜園なども一つのメンバーシッププログラムで結び、外部施設や医療機関と連携する。また、健康・快適性に焦点を当てた評価システム「WELL認証」の取得を目指す。
同プロジェクトの原点は、民間都市再開発の先駆けである86年竣工の「アークヒルズ」にさかのぼる。次回は、「アークヒルズ」「六本木ヒルズ」「虎ノ門ヒルズ」のコンセプトを振り返り、同プロジェクトの位置付けを探る。

























