紙上ブログ 不動産屋の独り言 511 賃貸現場の喜怒哀楽 坂口有吉 私の、ある形見分け 〝旧来の仲〟と約束結ぶ
住宅新報 2019年7月16日 号 7面
3歳の頃からお母さんと一緒に毎年当社に来ていた娘さん(Mちゃん)がいる。どうして毎年かというと、同じアパートの2DKの部屋を2部屋、1年ずれて契約していて、その更新のためだ。それにしても、不動産会社になんか来たくないものだろうと思ってお母さんに理由を聞くと、「この子は坂口さんの話を聞くのを楽しみにしているんですよ」と笑っていた。
そのお母さんは数年前にがんで亡くなったが、お年頃になったMちゃんとは今も交流が続く。私が電話して「飯でも食べに行こうか」と誘えば、いつも「はい」と言って気持ちよく付き合ってくれる。この年になってくると、そういうのはすごくうれしい。大げさな話でなく、生活費が足りなくなったときだけ連絡してくる実の娘よりはるかに可愛い。
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