明海大学不動産学部 不動産の不思議 学生たちの視点と発見 第292回 レンタルボックスの活用 異質な土地利用の未来図を
住宅新報 2019年7月16日 号 4面
【学生の目】
浦安市はかつて漁師町でアサリ漁や海苔作りが盛んだったが、高度経済成長期の宅地需要の拡大を受けて大規模な埋め立て事業が施行された。自然に流れていた境川も今は埋立地の中のまっすぐな運河で海につながり、わずかに展示用に浮かべた手漕ぎ船が名残をとどめる。
地面を掘るとアサリの貝殻が出てくる古くからの元町は、今も昔の面影があり、狭い路地沿いの無道路地も少なくない。建て替えできない家屋が老朽化し、防災面で課題のある木造密集地域もみられる。市場性に劣り価格が安い無道路地を浦安市が順次買い取って集約し、ある程度の広さになると民間に売却して新たな街づくりにつなげている。
集約する途中段階では空き地の状態(西川美波「不動産の不思議第188回」17年6月13日号)が多いが、買い取った事業者が暫定利用することもある。実際に元町を歩くと、まとまった広さの土地を駐車場やレンタルボックスに利用する場所が何カ所かあった。
空き地を駐車場にするケースはよくあるが、レンタルボックスを見ることは少ない。レンタルボックスを暫定利用に用いる理由は、需要があるという経済的な理由とは別に、建築基準法が適用されないという公法上の理由と、賃貸しても借地借家法が適用されない私法上の理由が考えられる。
建築確認の手続きをせず、用途や接道の制約を受けずに設置できる。つまり、開設が容易だ。また、本格開発のために撤収する際の賃貸借契約の解除に借家権の問題がない。つまり、撤退が容易だ。
境川に沿って進み、レンタルボックスを見つけた。42条2項道路に接する角地で、隣に5階建てのマンションが建ち、背後に境川が流れている。街路条件に恵まれないが、浦安駅まで徒歩約10分の距離にあり、周辺環境や立地は比較的良好だ。
マンションや戸建て住宅の開発が可能と思えるが、何らかの理由で暫定利用している。コンテナを置いた余地にバイク置場や自動販売機を設置して有効活用に徹し、コストがかかる塀、植栽や給排水はない。土地の収益性を追求する一方で住宅街の景観と異質な点が残念だ。
暫定利用が本格利用に移行することで地域が発展する期待がある。現在の異質さを将来の発展の予想に変える仕組みはないか。コンテナをキャンバスに、子供たちが自分とこの場所の未来図を描くのはどうだろう。
【教員のコメント】
日本の「おもてなし」が評価されて海外からの観光客が逓増している。他を思いやる心配りある行動、いわば作法は不動産にも重要である。成文法で規定しないまでも、時間と空間を支配する不動産ゆえに、「おもてなし」の感度を高めたい。























