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スタンダード会員限定ADRの現場から 話し合いでトラブルを解決 73 カビ・ダニ測定技能士(3) 賃貸住宅でのダニトラブル

住宅新報 2019年6月25日 号 8面

連載: ADRの現場から

資格・実務
高尾和宏専務理事

高尾和宏専務理事

 梅雨のように気温が高くて雨が多い季節はカビが発生しやすくなるだけでなく、ダニが大量に発生してしまう可能性も高くなります。賃貸住宅においては、このダニの発生が管理会社や大家さんと借主間のトラブルに発展してしまうこともあります。

 賃貸アパートに住むA氏は、子供がダニアレルギーと考えられる症状を発症してしまったため、「もうこの物件では生活していくことができない、物件のダニ問題を解決するまでホテル代を負担するか、引越し費用を全て負担してほしい」と管理会社に連絡。まずは詳しい状況を把握したいとする管理会社との間で話し合いの場が持たれることになりました。なお、話し合いに際し、A氏はダニによる健康被害の専門家「カビ・ダニ測定技能士」のB氏にその場に同席することを依頼したため、3者による話し合いとなりました。

 1度目の話し合いでは現地の立会い調査が行われ、B氏によるダニの採取が行われ、またA氏の生活状況に関するヒアリングが実施されました。そして2度目の話し合いでは、まずB氏から分析の結果多くの「ヒョウヒダニ」が検出されたという報告がありました。

 ヒョウヒダニは人を刺すことがないダニですが、死骸やフンによってアレルギー症状を起こすことがあります。ダニアレルギーの原因はおそらくこのヒョウヒダニであり、更にダニ発生の原因について言及されました。

 そこでは、1回目の現地調査において確認されたA氏の(1)浴槽に水が張ったままにされている、(2)換気が行われていない、(3)ダンボールが放置されている、という部屋の利用状況がヒョウヒダニ発生の好条件をつくり出していることが指摘されました。A氏に聞くと、(1)から(3)のような状態は日常的なものであるとのこと。したがって、ダニの発生はA氏がつくり出した環境が主な原因であると考えられました。

 しかし、ここで管理会社側は、「ダニは自然災害的な側面もあると共に、管理会社としては賃借人が快適な生活環境を提供するべきである」と見解を示したため、A氏が今後ダニが発生しやすい生活環境を改めるという条件のもと、専門業者によるダニ駆除費用を折半で負担するという内容で和解となりました。

 虫やダニ等の害虫が原因となる不動産トラブルは決して少なくありませんが、誰にその原因があるのかが分かりづらく、解決のための話し合いがスムーズにいかないケースが多くあります。したがって、トラブル解決のためには、専門家の力を借りるのがポイントです。

 ●「カビ・ダニ測定技能士」資格実施団体 一般社団法人日本環境保健機構 電話03(6869)8270

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