紙上ブログ 不動産屋の独り言 507 賃貸現場の喜怒哀楽 坂口有吉 細かすぎる交渉はしないほうがいい(1) 譲歩する家主へ配慮なく
住宅新報 2019年6月18日 号 7面
長く空いていた物件に申し込みが入ってきた。それはありがたいのだが、首をかしげたくなる交渉もいくつかあった。一つは家賃。直前に5000円値下げしていて、相場的にもかなり安めの設定。ゆったりした2DKには収納もたっぷりあって、比較的新しいエアコンが2台と、トイレも温水洗浄便座付き。中央線の駅にも近く、築年数の割にきれいなのだが、「もっと安くならないか」とのこと。それは事情を説明してお断りした。次いで日割り発生日。そちらは交渉ではなく「この日から入るからその日からの家賃発生で」ということで、即入物件だが問答無用で約1カ月後からの賃料発生となった。
客は同業者社員
家主さんは細かなことは言わない人だ。何かにつけて「坂口さんに任せますよ」と仰るから、そこまでは私の裁量で決めさせて頂き事後承諾を取る形となった。保証会社の審査も通ったことで、断る理由もなくなったので精算書を送ると、翌日、担当者から電話が掛かってきて、「精算書で日割り発生が24日からとなっています。申込書には25日入居と書いておいたのですが」と言う。それで、私は「先日、お電話で『日割り発生は来月の24日からでお願いします』と仰っていましたが」と返答すると、「私がそう言ったのなら申し訳ありません。ですが25日になりませんか」と粘る。私からすれば「家主さんに1カ月も待たせるんだから、たった1日くらい諦めなさいよ」という思いであった。まして、申込者はその不動産会社の社員だ。普通はそこまで要求しないものだろう。























