マンション管理応援歌No.194 廣田信子の紙上ブログ 組合員の所在不明、空室化の現状
住宅新報 2019年6月4日 号 6面

「平成30年度マンション総合調査」の結果が発表されました。5年に一回の調査の度に、マンション住民の高齢化は進んでいます。日本全国、高齢化ですから、当たり前と言えば当たり前ですが、70歳代が22.2%、60歳が27.0%で、ほぼ半数が60歳以上という高い数字となりました。特に、79年以前に完成した築40年以上のマンションでは、なんと、70歳代以上が47.2%と半分近く、60歳以上が77.8%と8割近いという結果です。高経年マンションの高齢化の実態がはっきり現れています。ただし、この調査に回答しているのは、理事長と他の組合員(たいていは理事)の2人ですから、この数字が住民の構成を必ずしも表しているわけではありませんが…。
さて、高齢化が進むということは、次に、区分所有者が死亡し相続が発生するということです。ここで、うまく引き継がれないと、所有者が分からない、空室のまま放置されるというようなことが起こります。
今回、新たに加わった調査項目に「所在不明・連絡先不通の戸数割合」があります。「所在不明・連絡先不通」とは、組合員名簿により所有者が直ちに判明しておらず、または判明していても所有者に連絡がつかないものとされています。所在不明・連絡先不通の住戸の割合が全戸数の20%を超えるマンションも2.2%ありました。これを築40年以上に限ると、5.3%にものぼります。20%以上の組合員と連絡が取れないのでは、総会通知も届かないし、賛否の意思表示もしてもらえない、管理費等の滞納請求もできません。これはかなり深刻な状況です。調査結果に表れない潜在的管理不全マンションの存在も考えると、これはマンション管理の根幹に関わる大問題です。
対策待ったなし
もうひとつ、高齢化、相続の発生と関係が深いと思われるのが「空室戸数割合」です。これが20%を超えるマンションが築40年以上で急に増え、4.4%もあります。100のうち、4~5つのマンションは、空室が2割を超えるということですから、これも深刻な問題です。調査に回答できるだけの基盤があるマンションで、この数字ですから、もっと深刻なマンションも数多く存在していると思われます。やはり、管理不全、その予備軍のマンションの対策は待ったなしです。
(マンション総合コンサルティング代表取締役)
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