建築資材には様々なものがあります。基本的には鉄、アルミニウム、ガラス、コンクリート、木材などですが、この中ではコンクリートという生物(なまもの)が異彩を放っています。他の資材は月単位、長ければ年単位の生鮮性しか求められませんがコンクリートについては「分単位」の生鮮性が求められます。この生鮮性が「生コン(生コンクリート)」と呼ばれる所以です。生コンは骨材(砂と砂利)にセメントを加え、規定量の水を使って混練りして造られます。
生コンは混練りから打ち込み完了までを規定された時間内に終わらせる必要があります。生鮮性が失われれば、固形化が始まり流動性が失われることから打ち込みができなくなったり、型枠内での回り込みが不十分になり所定の構造強度が発現できなくなります。日本建築学会発行の仕様書によれば「コンクリートの練混ぜから打込み終了までの時間の限度は、外気温が25℃未満のときは120分、25℃以上のときは90分とする」とあります。土木学会もほぼ同様の規定です。
1955年から73年に至る高度成長期には、列島各所で建築や土木工事が盛んに行われ、ダンプカーやコンクリートミキサー車の事故が相次ぎ、大きな社会問題になりました。時間に縛られたコンクリートミキサー車の暴走ぶりは特に目立つ存在であり、多くの交通規制を掛けられましたが事故防止の効果は薄く、結局はコンクリートプラントサイトが多くできることによって、暴走事故は沈静化しました。多発した事故は生コンというものの価値を決める生鮮性が引き起こしたともいえます。

























