進化する「団信」(下) カーディフ生命保険社長 久米保則 住宅購入までの道程 真の喜び支える陰の力に
住宅新報 2019年4月23日 号 5面
これまで、団信の意義とその進化についてお伝えしてきた。この進化は商品だけにとどまらず、サービス面でも加速している。当社では住宅購入者がたどっていく道程をカスタマー・ジャーニーと呼び、その途上で接する様々なサービス提供者、各種の情報、そこから派生する心理状況などを常に研究している。
顧客体験に課題
住宅購入の道程は(1)調査・計画、(2)物件選定、(3)借り入れ・購入、(4)引っ越し・新生活の4段階に大別できる。当社が実施した住宅購入者へのインタビューでは、団信との接点である第3ステージでの顧客体験に課題を示唆する意見が聞かれた。例えば「よく覚えていない」「言われるがままに手続きした」といった認知的体験の悪さを示す声や、中には「がんや3大疾病保障付きの住宅ローンがあると知っていたら、加入したかった」というものもある。
長期・多額の借金という心理的圧迫もあって、とかく住宅ローンは住宅購入という心躍るイベントの暗黒面のような印象なのである。
全国の銀行と協力
この現状を変えるべく、当社は提携する全国の銀行と協力しながら、住宅ローンと保険にまつわる体験の変革に挑戦している。
その出発点は団信の申し込みと健康状態の告知をウェブで行えるようにしたこと(14年より提供)である。
多くの銀行がウェブでのローン仮審査を開始したことと相まって、忙しい世代がローンを借りるために必要な手続きを、銀行に行かずとも平日の夜や週末に自宅から行うことを可能とした。
同時に、銀行との対面機会が減少する中でも住宅購入者がローンと保険に関する正確な情報を入手できるよう、コミュニケーションを一段と工夫する必要がある。
当社では保障の意義や内容を十分に理解できるよう、団信を平易に説明する動画を制作し、良好な認知的体験の提供を目指している。
また、実際にがんや心筋梗塞などに罹患し、当社の団信でローン完済した方々の体験談を動画にまとめ(写真)、その感情的体験も共有している。
住宅は人生最大の買い物であり、各種設備、家電、家具、内装から生活雑貨に至るまで関連消費の裾野も広い。いつの調査でも、多くの人がマイホームについては実に楽しげに、かつ誇らしげに語るのが印象的である。またSNSでもインテリアなどについて多くの情報交換と交流が行われている。
当社は銀行と共に、こうした住宅購入の喜びを陰で支えてきた。これからは住宅・不動産業界や関連商品・サービス提供者とも連携して、住宅購入者に対して真に良質な顧客体験を提供すべき時代が来ていると考えている。
くめ・やすのり=1988年3月同志社大学法学部卒業。同年4月日本生命保険入社。メリルリンチ日本証券投資銀行部門、アクサ生命常務執行役員を経て、現在に至る。























