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スタンダード会員限定ADRの現場から 話し合いでトラブルを解決 64 投資不動産取引士(3) 知識不足が事業者を加害者にする

住宅新報 2019年4月16日 号 8面

連載: ADRの現場から

資格・実務
井上徹理事長

井上徹理事長

 現在、不動産売買では、居住用不動産の取引の内容は明確になっており、安全な取引が推進されています。しかし、投資用不動産の取引をみると、その多くは居住用不動産の不動産売買契約書を用いて取引が行われているなど、明確な取引ルールが浸透していないというのが現状です。

 多くの不動産事業者は投資用不動産取引において「何を調査し、手続きをしておくべきか」ということを理解していないのです。

 そのような状況を鑑みて、投資不動産流通協会では投資用不動産取引のプロフェッショナルを育成するために「投資不動産取引士」資格制度を運営すると共に、消費者・不動産事業者双方にとって安全な投資用不動産取引のルールやノウハウの周知啓蒙を行っています。現在では不動産ADRを活用した「スマートデイズシェアハウストラブル」の被害者オーナー救済の取り組みも行っています。

 この取り組みにおいて、被害者オーナーが物件を契約した際の状況や書類等の精査を行っているのですが、ここからもトラブルの原因の一つに「販売した不動産事業者の投資不動産取引ルールに対する知識不足」が浮かび上がってきました。

 もちろん、恣意的にスマートデイズのビジネススキームに乗った不動産事業者もありますが、一部、知識がない故にこのビジネススキームに疑問を感じることなく物件を販売し、オーナーを被害者にしてしまった不動産事業者も存在しているのです。そのような業者の中には、今まではワンルーム投資マンションの販売ばかり行っていたのに、突発的に今回のような1棟物件の販売を行った業者もあり、彼らの制作した契約書類には特約条項等の記載不備が非常に多くありました。

 無知が故にトラブルの加害者となってしまった不動産事業者も、金融機関のブラックリストに載ってしまう等、当然社会的なペナルティが課せられます。不動産の売買仲介が業務としてできなくなってしまう不動産事業者もでてくることでしょう。

 つまり、投資用不動産取引のルールを知らずしてこれを取扱うことは不動産事業者にとってリスクが高いと言えるのです。更に、社会問題化したこのトラブルを受けて、今後は行政も今まで以上に厳しく監督をしてくることでしょう。実際に、スルガ銀行の不正融資では多くの取引をした不動産事業者が「実態調査」という名目で自治体から呼び出しをされている例がすでに起きています。このようなことからも、投資不動産取引をされる不動産業者は、まずそのルールをしっかりと学ぶ必要があるといえるでしょう。

 ●「投資不動産取引士」資格実施団体 投資不動産流通協会、電話03(5155)2088

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