大手不動産と自治体の包括協定 一部の企業で支援につながる動きも 具体化・事業化には課題
住宅新報 2019年4月9日 号 4面

大手不動産企業などと自治体の連携・協定状況
三井不動産が北海道下川町と締結している連携協定は、森林の適正管理と活用を基軸に持続可能な地域社会の実現を目的としたもの。下川町の人口は約3274人(19年4月1日)と大きな自治体ではないが、同社グループの保有林があり、協定以前から木材を住宅やオフィスの内外材などに利用していた。
連携協定後の取り組みとしては、下川町森林組合と森林の適正管理を実施するほか、SDGs(持続可能な開発目標)に関連した社内研修の実施。下川町産のトドマツから抽出したエッセンシャルオイルを企業ノベリティとして使用する。
三井不動産は、千葉県千葉市とも包括的な連携協定を締結。いずれも事業に直結するものではないが、地域とのつながりを深める取り組みと位置付ける。
三菱地所は、地元金融機関などと共に長野県と地方創生に関する連携協定を締結した。協定内容は産業振興、地域経済活性化、まちづくりなどがテーマで、三菱地所はノウハウを生かして観光振興やまちづくりなどを支援する。
連携協定後、八十二銀行を通じて、地元企業や自治体の土地活用の相談を受けている。具体的な事業化には至っていないが、地域のポテンシャルを生かしたまちづくりへの発展を支援する意向だ。
森ビルは、4月1日から5年間、神奈川県横須賀市とまちづくり基本協定を締結した。森ビルが持つ六本木や虎ノ門など都市再生事業のノウハウを生かし、「横須賀再興プラン」の事項を基にしたまちづくりを支援する。
森ビルは、人事交流として、既に横須賀市から1人の人材を受け入れている。松山市など先行する取り組みでも、情報交換など人的交流を中心に地域に貢献する。
自治体側の関心高く
不動産企業のまちづくりに対して「自治体から相談を受けることがある」(三井不動産)、「海外も含めて関心を持って頂いている」(森ビル)と、国内外を問わず自治体側の関心は高い。ただ、包括的な協定に至るのは限られる。
また、地方自治体との連携は、町村単位での活性化に終始する傾向があり、逆に県単位では広域すぎて町村間の調整が難しいという面がある。「住民の行動範囲でくくったエリアでの連携がうまくいくのではないか」(大手不動産の担当者)との声もある。





















