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スタンダード会員限定ADRの現場から 話し合いでトラブルを解決 61 住宅ローン診断士(2) 離婚と住宅ローントラブル

住宅新報 2019年3月26日 号 32面

連載: ADRの現場から

資格・実務
望月保秀代表理事

望月保秀代表理事

 日本住宅ローン診断士協会には、様々な住宅ローンに関するトラブルが相談されます。最近は離婚率の増加に伴い、相談内容として離婚と住宅ローンの問題も増加傾向にあります。(1)元夫(妻)が保証人・連帯保証人になっている(2)不動産の所有権が共有名義になっている(3)ローンの残高が多くて不動産が売れない(オーバーローン状態)(4)離婚した後も購入した家に住みたい、といった問題点があります。不動産事業者の方も離婚と住宅ローンの問題をお客様から相談されたことがあるのではないでしょうか。

 当協会が離婚と住宅ローンの問題を相談された際にアドバイスをするのは、「できるだけ離婚協議中に解決しましょう」ということです。面倒な問題であるが故に問題の先送りをしてしまい、離婚が成立してもローン名義がそのままであると、時間が経てば経つほど「相手の協力が得られにくい」という状況になってしまうからです。

 なお、当協会では住宅ローンを活用してのトラブル解決支援を行っていますが、その状況と解決方針事例を簡単に紹介します。(1)所有権が夫婦共有で、ローンも夫婦の連帯債務であったため、夫単独に所有権とローンを一本化(2)所有権が夫単独でローンも夫単独だが、妻が連帯保証人となっていたケースでは、妻の保証を解除する為、夫単独で他の金融機関に借り換え(3)所有権が夫単独でローンも夫単独であったが、妻にそのまま住み続けたいという意向があったため、妻が不動産を買い取るローンを組む…などがあります。離婚と住宅ローンに関するトラブルはその状況や「どうしたいのか」がまさに「人それぞれ」であるため、オーダーメイドの住宅ローン活用プランが必要になってくるのです。

 そして、ここで欠かせないのが夫と妻の合意形成です。マイホームをどのように取り扱っていくのか。しっかりと互いの意見を述べ合い、着地点を探していかなければなりません。しかし、やはり離婚という結果を選んだ両者の関係は決して円滑なものばかりではなく、どうしても「感情的になって話合いが進まない」「互いの主張を一歩も譲らない」などの問題が起こりがちです。このような場合で活用できるのがADRです。住宅ローン診断士は日本不動産仲裁機構のADR調停人基礎資格として認定されているので、調停人資格を持った住宅ローン診断士は、第三者として両者の間に入り、解決に向けた話合いを進めていくことができます。住宅ローンの専門家が話合いの場に参加することで、当事者も「住宅ローンを活用してできること」が分かるため、「未来に向かって前向きにトラブルを解決していこう」という意識を持っていただくことにもつながるのではないでしょうか。

 ●「住宅ローン診断士」資格実施団体 日本住宅ローン診断士協会 電話03(3583)1081

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