紙上ブログ 不動産屋の独り言 493 賃貸現場の喜怒哀楽 坂口有吉 身勝手な老婦人の頼みごと 相手の都合はお構いなしか…
住宅新報 2019年3月12日 号 7面
数年前のことだ。入院中のSさんは私に電話してきて、「お宅に預けてある私の部屋の鍵をA商店の奥さんに届けてちょうだい。私の下着を届けてもらいたいから」と言ってきた。私は「まずその用件を相手が了解しているかどうか確認が必要なので、私に電話してもらってください」と言うと、「私が大丈夫と言ったら大丈夫だから」と激怒したので断ったことがある。私が鍵を届けることで、その店の奥さんは他人のアパートに入って下着を探し、それを届けなくてはならなくなるのだから、本人の了解もなく私が鍵を届けたら私が恨まれかねない。
いつも便利使い
そのSさんだ。最近は毎月家賃を集金に行かされている。Sさんの電話はいつもろくな用件ではなく、私をケースワーカー代わりに使いたい時ときだけだ。電話で最初に言ったのは、「以前に私が紹介したYさん、入居は決まったの?」ということ。2カ月ほど前、同じく生活保護を受けていて入居中のアパートが老朽化で取り壊しになることで立ち退きを迫られたYさんを紹介してくれた。Yさんの部屋は決まったが、Sさんには連絡しなかった。普段はそういう不義理をすることはないが、今回は連絡したくない事情があった。























