廣田 信子の紙上ブログ No.182 マンション管理応援歌 神宮の森に教えられた百年の重み
住宅新報 2019年3月5日 号 6面

先日、NHKで、明治神宮の森の100年の物語を放映していました。神宮の森は100年前に何もない荒れ地に、明治神宮の鎮守の森として造られたものであることは知っていましたが、緻密な計算で、人の手をまったく入れなくても循環する5000年前の太古の自然森の再生を試みたものだということを初めて知りました。そして本当に、100年まったく手を入れないで、今の姿にまでなっているのです。
最初に多数植えられた針葉樹が、広葉樹との競争に負け、日の光を受けられずに枯れて倒れる。すると、そこにできる空間に日光が差し込み、その光を浴びて地中の実から新芽が出て、若木が育つ。朽ちた木には多彩な粘菌が育ち、多様な生き物が育つ。落ち葉は栄養となって、木々の成長を促す。直径1メートルを超える大木が育ち、何と、オオタカが巣をつくっている。森が外来種の侵入を防ぎ、もう日本から姿を消しつつある日本固有の植物や生物が今なお存在している…。
自然の営みの凄さと100年という年月の持つ可能性に心を打たれました。そして、その種を撒いたのは、100年前の「人」だったのです。当時の森林学者が、時の総理大臣伊藤博文を説得して、100年、150年先のために撒いた種なのです。改めて今、私たちは、100年先の未来の人たちを感動させられるような、未来への種を撒いていると言えるのだろうか。






















