廣田 信子の紙上ブログ No181 マンション管理応援歌 説得に反発する「ブーメラン効果」
住宅新報 2019年2月26日 号 6面

管理組合に合意形成の悩みは尽きません。特に、一括受電への切り替えのように、全員の合意が必要なことは簡単ではありません。人間には、説得をされると余計、反発を覚えると言う心理があるから厄介です。
デパートで店員さんに「お似合いですよ~」と勧められると、なんか買いたくない気分になってその場を離れてしまう…そんなことはありませんか。これは「ブーメラン効果」によるものです。「ブーメラン効果」とは、他人が自分をある態度に導こうとする行為や主張に反発を感じて、かえって相手の意図とは逆の心理になってしまうことをいいます。勉強しろと言われれば言われるほど、勉強したくなるくなるのもそのためです。で、やっかいなのは、自分が勉強する気がない時より、自分でも「勉強しなくちゃ」と思っている時の方が、反発心が大きいのです。自分で考えていたのに、それを邪魔されたと感じるからです。
私たちの心にこんな効果が働く原因として、次の3つが考えられます。まず一つ目は、説得者の態度や主張に不信感を抱く、あるいは、説得者を快く思っていないために反対の立場を取ろうとする。一括受電に反対の方が、理事会のやり方がおかしい、業者の態度が気に入らないという理由で反対するのは、このためです。二つ目は、自分の人生にとって重要性の高いことに関しては異なる主張は絶対に受け入れないという心理です。経営方針が自分のアイデンティティに反する企業から電気を購入するのは、絶対に嫌だという心理です。三つ目として、説得されることが、「自分の自由への脅威」と感じ、自分の選択の自由を守ろうとする心理的反発です。他者に強制されるとか、コントロールされるということに、本能的な脅威を感じるので、その可能性があることには従わない…という気持ちになるのだと思います。ですから、強制や脅しは逆効果です。
急がず丁寧に
いずれにしろ、人の心を変えることは、一筋縄ではいきません。全員の合意が必要な場合は、丁寧に急がずに合意形成を進めるしかありません。色々と意見はあっても、最後、自分の意志で協力しようと思えるように対応するということが重要なのです。「ブーメラン効果」を忘れないで欲しいな…と思います。
(マンション総合コンサルティング代表取締役)
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