たまプラーザ分譲マンションにエリマネ拠点 周辺エリア巻き込み活性化 東急電鉄
住宅新報 2019年2月19日 号 4面
神奈川県横浜市青葉区美しが丘1丁目に建設され、昨年9月に入居を開始した新築分譲マンション「ドレッセWISEたまプラーザ」(総戸数278戸)。たまプラーザ駅から徒歩4分の駅近物件だ。この低層部に、エリアマネジメントの拠点となる施設「CO―NIWAたまプラーザ」を設けた。
たまプラーザ駅北部の美しが丘1~3丁目は、12年に同社と横浜市が郊外住宅をまちの単位で再生する取り組み「次世代郊外まちづくり」のモデル地区に選定された。同マンションは、この取り組みを担う分譲マンションであり、モデル地区を対象にしたエリアマネジメントの取り組みが地区計画に組み込まれ、容積率の加算が行われている。
CO―NIWAたまプラーザは、同社が提唱する、歩いて暮らせる生活圏に暮らしに必要な機能を集約する考え方「コミュニティ・リビング」を具現化する施設。コミュニティ・カフェやコワーキングスペース、学童保育、20年開園予定の認可保育園が入居する。ここを拠点にエリアマネジメント活動を行う。活動主体となるのは、昨年9月に設立した一般社団法人で地域の多様な世代交流を生み出す試みだ。
約3割がエリア内住み替え
一般社団法人ドレッセWISEたまプラーザエリアマネジメンツは、同社をはじめ、テナント、同マンションの管理組合が参画する。マンションの全世帯は、一般社団法人に会費を支払う。同社のほか、CO―NIWAたまプラーザの各テナントも会費を負担する。活動実績としては、地域団体と共同で、マンション敷地内の貫通広場を使った子供向けイベントと、公園の木の電飾イベントを行った。「イベントなどを通じて地域の方々が交流する場面を創出していきたい」(次世代郊外まちづくり課の森口雅昭課長補佐)と言う。
一般社団法人の次の取り組みは、マンションの住民やテナントなどに向けたエリアマネジメントについて考えるワークショップ。2月下旬と3月に開催する予定だ。4月以降は、「地域の方々と一緒になって、貫通広場をどうやれば地域の価値向上のために使えるのか、そのためのワークショップやイベントを開催していきたい」(同課の山口恵美さん)。
エリアマネジメントの対象地区の中で、戸建て住宅地である美しが丘3丁目は、駅から距離がある丘陵地域。富裕層が多い地域だが、高齢化が進んでいる。
高齢化した住民は、利便性が高い駅に近いマンションへ住み替えてもらい、戸建て住宅地に新たな住民を迎え入れる。同社は、このようなエリア内の循環を生み、まち全体の活性化を狙う。同マンションは、既存住民の住み替え先という役割も持つ。同社によれば、同マンション住民の約3割が美しが丘エリアからの住み替え。エリア内での住民の循環を促すという試みは、成果があったと言える。
成功した地域特有の課題も
一方、エリアマネジメントの横展開の難しさも見えている。丘陵地を開発した田園都市線の沿線住宅地は、たまプラーザと似たような課題を抱えている。将来的な横展開を見込んでいるが、住民特性が異なる他の地域で、たまプラーザの取り組みをそのまま適用することは難しい。
ブランディングに成功した地域特有の課題もある。たまプラーザ駅前は依然として活気があり、戸建て住宅の資産価値は保たれている。また、富裕層は、自宅が空き家となっても維持・管理費用が賄えるため売却するという発想になりにくい。利便性を重視する子世代は、都心に近いマンションを好む。こうして発生した空き家問題についても、同社では19年4月以降に実態把握と対応策を検討する考えを示す。
都市郊外の成功した住宅地も、若い住民がいなくなりコミュニティが維持できなくなるという点では地方の疲弊した地域と同じだ。むしろ、住民の危機感が強い疲弊した地域よりも難しい面がある。
同社は、エリアマネジメントで地域の魅力を上げ、人が集まることで新たな事業機会を創出する方針を打ち出す。たまプラーザのエリアマネジメントは、郊外住宅地での新たな事業機会創出の試みでもある。
























