廣田 信子の紙上ブログ No.178 マンション管理応援歌 団地内に高齢者施設誘致の盲点
住宅新報 2019年2月5日 号 6面

団地に高齢者施設を誘致したい。車イスになっても住み続けられるように団地を再生したいから…と、エレベーターがない高経年団地の理事さんが言います。「デイサービスセンター」のような通所施設か、団地内の住み替えのための「ケアハウス」や「サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)」をつくりたいのかと聞くと、両方だと言います。でも、高齢者施設を団地内につくれば高齢者のためになるという思い込みは禁物です。
ある高経年の大型団地は、子供の減少で不要になった学童クラブの建物を改修して、デイサービスと訪問看護ステーションに。最初、団地内の人を優先したい…なんて言っていたのですが、蓋を開けてみると、団地内の人が運営側には多いのに、利用者は少ないのです。まだケアを必要とする高齢者が少ないから?と聞くと、どうもそうではないらしいのです。団地内の方が、わざわざ別のデイサービスや訪問看護ステーションを利用するのです。デイサービスに行く時は、お迎えの車が来るのだから団地内である必要はないし、団地内を車イスで移動したり、ご近所に住む介護スタッフに世話をされるのは抵抗があるというのです。訪問看護をどこに依頼するかも、地域に幾つかある事業所の中からサービスがよさそうなところを選ぶので、こちらも団地内にある必要ない…と。ですから、団地内の事業所も一般の方に選ばれるサービスをしないと、経営が成り立たないのです。
「サ高住」だと、もっと運営方針の幅が広いので、自分の考え方に合った「サ高住」を選ぶことが重要で、今の住まいの近くにあることにこだわる理由はあまりないのです。もし、あるとすると、本人がお元気で団地内に友達がたくさんいる場合や親族が暮らしている場合でしょう。実は、高齢者の入居施設は、呼び寄せも含めて子供の居住地近くが選ばれるケースが多いのです。






















