リコー 「VRでステージング推進」 価格、手間、地域の〝壁〟を解消
住宅新報 2018年12月25日 号 7面
流通大手が導入
「実際の家具で室内を演出するのがベスト。ただ、HSの普及には価格、手間、地域という3つの壁がある。これをVRで解決したい」と話すのは同社スマートビジョン事業本部の重山美詠氏(写真)。
同サービスは、リコーの全天球カメラで撮影した360度の空室物件画像に、リアリティを追求した家具や小物のCGを配置するもの。実際のHSであれば家具の搬入搬出や人件費など1件20万円程度要するところ、同社の法人向けクラウドサービス「THETA 360.biz」の利用で、1画像3万4800円から注文できる。低コストで部屋の具体的な活用法や空間イメージを提案できる上、家具の影や反射など細部のリアリティへこだわっている点も特徴だ。
11月には野村不動産アーバンネットの不動産情報サイト「ノムコム」で同サービスを活用した物件情報の公開が始まった。同社では、もともと営業エリア内で築年(00年1月以降竣工)や専有面積等の条件を満たした居住物件に対しHSを実施。加えて、VR版を併用することで築年数が古い物件や一般媒介物件などへHSの対象を拡大し、同サイトの充実を図ってきた。今回のリコーとの提携では「CG家具の画質のクオリティが高く、360度画像が没入感を生み出す。当社営業エリア内であれば一般媒介物件も実施対象となる。新技術の導入と品質の双方を追求し、ICT活用を推進する」(同社経営企画室)としている。
また、住友不動産販売が展開する「バーチャルステージングサービス」でもリコーがCG製作を担当している。
ステージャーの選択肢に
更にリコーは販売チャネルの拡大のため、サマンサ・ホームステージング(東京都江東区、大西真史社長)と提携。12月から「バーチャルホームステージング」として住宅オーナーやステージャー向けのサービスを開始した。
両社は日本ホームステージング協会に加盟する法人会員。特にサマンサは首都圏、名古屋、大阪で、入居中物件の片付けから遺品整理までトータルなHSを展開。空室(売買物件)のHSは首都圏で毎月100件、入居中のHSは毎月15件程度の提供実績を持っており、「利用者からはVRを活用したHSの需要も高い。暮らし回りのラインアップが豊富な当社にとって窓口が広がり、ワンストップでの提供が可能」(同社広報)と提携の狙いを明かす。
同サービスでは、サマンサがリコーの「THETA360.biz」を活用するため、発注者は撮影代行とVR作成(1部屋のみ)がセットで5万5000円から利用できる。データ作成・納品期間は、画像撮影日から10営業日程度を想定。まずは首都圏でサービス展開し、「初年度100件の受注を見込む。VRによって賃貸HSの選択肢の一つとなりたい」(同)という。
リコーの重山氏はサマンサについて、「家具の配置を考えた見せ方や撮影ノウハウを持ち、導入検討者にとっても目的が明確。当社の顧客サービスが広がる」と期待を込める。同社では今後も他企業との提携を模索し、「価格、手間、地域」というHS普及の課題に挑んでいく考えだ。


























