紙上ブログ 不動産屋の独り言 481 賃貸現場の喜怒哀楽 坂口有吉 これはなんだか怖い家族(3) 長男に同情 一方で喝も
住宅新報 2018年12月11日 号 7面
騒ぎの発端になっている長男K氏を当社に呼び出した。事情によっては契約を解除して退去してもらう必要がある。以前も警察を呼ぶ騒ぎを起こして、アパートにパトカーが来たのはこれで2回目。母親から見せてもらったK氏からのメールの文面には異常性が認められたものの、当社にやってきた彼はいたって普通。ちゃんと礼節もわきまえていて丁寧に私に詫びる。別に二重人格ということでもなさそうだ。彼女の言い分は聞いてはいないのだが、K氏に詳しく話を聞くと、彼のほうに同情すべき事情があった。
泣きわめく彼女
家事も炊事も金の管理も何一つできないことでK氏が家から追い出した彼女はその後、イケメンの次男にまとわりついていたが突き放され、一人暮らしをするためのアパートを借りてはいても、度々長男のアパートに戻ってきてはドアを叩いて「中に入れてほしい」と泣きわめいていたという。
派遣で時給1800円という破格の待遇の事務職に就いていながら月の半ばで金を使い果たしてしまい、生活費が足りなくなるとK氏のところに「何か食べさせてほしい」と言ってきて、断ると泣きわめく、その繰り返し。強烈な依存症で、人さまの迷惑など何も考えない。自分がしていることが間違っているとも思っていない。最初に警察を呼んだ際、喧嘩になって彼女がハサミで攻撃してきてK氏がフライパンで応戦したら自分で110番通報したということで、事情聴取でK氏が連行されるときには警察官に「あの人、頭がおかしいんですよ」と言い放っていたとか。
次は、ない
K氏も悪い。彼女が泣きわめくと近所迷惑だから、と部屋の鍵を彼女に渡しているのだ。「どこの世界にストーカーに部屋の鍵を渡す馬鹿がいるのか」と私が叱ると平謝り。幸い、家主さんは早くにお休みになっていて、隣に住んではいるが騒ぎには全く気付いていなかった。また、私がとりなしたことで「本人が反省しているならこのまま住んでてもらって結構ですよ」と仰ってくださった。
だが、相手はストーカー、このまま収まるとは思えない。「彼女が訪ねてきたらアパートから離れた場所に行き警察を呼ぶ」と約束させ、「次があったら契約解除だよ」と釘を刺した。
(坂口有吉不動産・社長)























