紙上ブログ 不動産屋の独り言 479 賃貸現場の喜怒哀楽 坂口有吉 これはなんだか怖い家族(1) 修羅場予感し案じる
住宅新報 2018年11月27日 号 7面
「それぞれ独立している家族の皆さんが当社のお客様」という家族がある。そこに一人の女性が現れたことで、もしかすると修羅場になるかもしれないと私はとても案じている。決して大げさな話ではない。
長男の結婚話
事の起こりは長男K氏が結婚するとのことで当社で部屋探しをしたことから。父親はおらず、母親の部屋探しはその前から当社でしていたのだが、問題の発端となったのは、長男の相手。年が離れた若くて可愛い彼女のほうから猛烈にアプローチして結婚することになったのだが、同棲して分かったことは、彼女は家事一切ができないということ。料理も洗濯も掃除も、何一つである。しばらく一緒に暮らしていたが、さすがにK氏も愛想が尽きて家から追い出すことに。彼女がいるだけで部屋が散らかっていくのだし無理もない。
まだ入籍はしておらず、どちらの戸籍も傷がつかなかったのは不幸中の幸い。だが、結婚するということで他の兄弟にも紹介していて、それで話が思わぬ方向に飛んでいく。K氏の弟(次男)が超イケメンで、彼女は家を追い出される前に彼に付きまとい始めた。私も彼女に会っていて、清楚な感じだし、家を出されるときに部屋探しもしているが、そんなふうには見えなかった。その実情を教えてくれたのは、そのK氏兄弟の母親。母親と娘さんは今もたまに会って何かと激励しているようだが、その間にも事態は深刻な方向に進んでいく。
弟と懇意に
次男が引っ越すことになり、その引っ越し先は彼女のアパートのすぐ近所。「弟は嫌がって避けている」と聞いていたが、もしかすると、彼女のアパートのことを知っていて、兄の手前、別の部屋を借りたが、行き来するのかもしれないと思えた。もしそうだとすると、K氏が知ったら愉快ではないだろう。
母親もそれを心配して三男(K氏弟)に相談すると、正義感の強い三男は「俺が話を付けてくる」と息巻いているとか。その話を聞いて、私は母親に「三男を止めなさい。それ、ヘタをすると殺傷沙汰になります。女の恋心は一途だから、『止めろ』と言われたら燃え上がったり逆上したりして咄嗟に何をするか分かりませんよ」と伝えた。色恋が絡むと冷静さを失うから本当に怖い。
(坂口有吉不動産・社長)























