マンション管理応援歌No.167 廣田信子の紙上ブログ 管理組合に求められる経営感覚って?
住宅新報 2018年11月13日 号 6面

最近、30年前には先駆的な経営で先端を走っていたマンションが、今大変なことになっている…という話を立て続けに聞きます。対立があって修繕などの事業が止まっているのです。当時のリーダーは既に亡くなっているか、引っ越しています。
本や論文に取り上げられて常に注目されていれば、次々に新たな取り組みにチャレンジしたくなります。外からの評価が高いと、その勢いが内部の反対者を黙らせ、それを可能にします。でも、独自の取り組みは、それを維持し、修正するのも難しいのです。
市場価値を維持できているうちはいいのですが、ある時から、何をしても、市場の変化などで、それが難しくなります。中心メンバーも疲れてきます。がんばってきたところほど、その変化に対応できないのです。高齢になってマンションを出ていくメンバーも現れます。以前には出なかった不満も出てきます。お金を掛けて造った独自の施設がお荷物になることもあります。
市場価格が下がると新たな入居者の意識も変わります。単に価格で選んだ人が増えるからです。昔からのマインドを維持しようとする人に対して、新入居者の中には、なんでそんなことまで管理組合がするの…という人も現れてきます。対立があると、雪崩を打つようマイナスのことばかりが出てきます。
近年、管理組合も経営感覚が必要だと言われます。でも、一般の企業だって30年維持するのは大変なのです。時代の先端を走っていた企業が突然倒産することもあります。社会的に評価されていた会社が、内部紛争や不祥事で自滅することもあります。
柔軟に対応
時代の変化が激しい中、管理組合という非営利で長期的視点が何より重要な組織を経営していくことは簡単ではありません。管理組合に求められている経営感覚って、どういうものなのでしょうか。現時点で、いかに経費を減らして、いかに新たな価値を付加するか…ということでいいのでしょうか。目先の「市場価値」を旗印にし過ぎると、市場価値を維持できなくなった時にもろいと知らされました。新たなことに取り組む姿勢と、状況の変化を想定して無理をし過ぎず柔軟に対応するという感覚のバランスが必要なのだと改めて思いました。
(マンション総合コンサルティング代表取締役)
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