京都の町家や高山の歴史保存地区を歩くと、アイコンとしての町並みをつくり上げているのが屋根瓦と土壁、そして「格子」や「連子(れんじ)」です。格子は平安時代に神社仏閣や貴族の住宅である寝殿造において「仕切り戸」に使われ、それが建具として発展してきました。角材を縦横グリッド状に組み合わせたのが「格子」、縦方向だけに並べたものを「連子」と言います。格子や連子は窓の外に付けたり、引き戸、欄間、障子にも使われ、日本建築の重要なデザイン要素になっています。
通風と採光を得る
機能的には外部からの視線や侵入を防ぎつつ、通風と採光を得る目的で使われますが、歴史的には格式や商売を表すサインとしても用いられました。炭屋格子、糸屋格子、酒屋格子、廓(くるわ)格子などは商売を表す格子です。炭屋格子は炭の粉が散らないように格子の隙間が非常に狭く、糸屋格子は縦の桟を数本ごとに短くして上部から光を取り入れ、反物の質感や色の違いを見やすくしています。酒屋格子は紅殻塗りされた、がっちりした太い部材で組み、空気の流通を得ながらも防犯機能を持っていました。また、酒樽などがぶつかっても容易に破損しないことも必要だったわけです。






















