不動産取引現場での意外な誤解 売買編118 地役権設定契約では何が定められるか?
住宅新報 2018年10月30日 号 3面
連載: 不動産取引現場での意外な誤解
Q 前回、地役権設定契約の内容について話がありましたが、その契約書には具体的にどのような事項が定められるのでしょうか。
A 一般的な例で申し上げれば、次のような事項が盛り込まれると思います。
(1)当事者の表示と契約締結の合意文言、(2)権利設定の目的、(3)要役地、承役地の表示(土地の範囲)、(4)存続期間、(5)設定対価、(6)特約事項
なお、この場合の「要役地」は一筆の土地であることを必要としますが、「承役地」のほうは必ずしも一筆の土地である必要はありません。したがって、その場合には契約書に図面を添付して、その範囲を具体的に明示します。
Q その記載事項の(1)~(6)を契約書のかたちで示してほしいのですが。
A 例えば、(1)については、「要役地所有者甲(以下「甲」という)と承役地所有者乙(以下「乙」という)は、後記表示土地について、次の通り通行地役権設定契約を締結する。」
(2)(3)については、「第1条 甲は自己所有の東京都〇区〇町〇番所在の宅地〇〇m2の便益のために、乙に対し、乙所有の東京都〇区〇町〇番所有の宅地〇〇m2の一部(添付図面記載のとおり)について、これを通行のために利用する目的で地役権設定方を申し込み、乙はこれを承諾した。」
(4)については、「第2条 本通行地役権の存続期間は、特にこれを定めない。」
(5)については、「第3条 甲は乙に対し、本通行地役権設定の対価として金〇〇円を本契約締結時に一括して支払い、毎月の使用料は無償とする。」
(6)については、「第4条 本件の承役地の利用は、甲のみに認めるものであり、かつ、車両での通行は認めない。」「甲がその要役地を第三者に譲渡したときは、乙が承諾しない限り、その所有権の移転をもって地役権は消滅する。」「本件の地役権設定登記は甲乙共同で行い、その費用は甲が負担する。」などとなると思います。
Q このように設定契約の条文を見ていくと、かなりの部分が当事者の自由意思に委ねられているのですね。
A その通りです。前回にもお話しした通り、地役権設定契約は基本的に当事者の合意で定めるものだからです(民法176条、280条、281条1項ただし書)。
渡邊不動産取引法実務研究所
代表 渡邊 秀男
























