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スタンダード会員限定若年層の住宅取得支援を考える(4) FRK「50m2未満の居住満足度調査」から 「広さ」の満足度を調査 50m2前後では大差なし

住宅新報 2018年10月23日 号 5面

マンション・開発・経営
住まいに対する満足度

住まいに対する満足度

 これまでの連載で、不動産流通経営協会が行った調査結果として、(1)若年層の大半は結婚、育児などを望んでおり、これらのライフイベントを住宅取得の契機と捉える一方で、住宅購入資金の調達というハードルを意識している、(2)50m2未満のマンションに対する若年層のニーズは、首都圏はもとより地方部でも一定程度存在することなどを紹介した。

 それでは、実際に50m2未満の住宅に住んでいる人は50m2以上の住宅に住んでいる人に比べて、「広さ」について、より不満を感じているのだろうか。

 今回の調査では、持ち家居住者(25~49歳)が住んでいる住宅に関する居住満足度について、「非常に不満」から「非常に満足」まで、10段階評価での回答を求めた。

その他の条件は同じ

 居住満足度は、性別、家族構成、年齢、年収といった居住者属性や、築年数など広さ以外の建物属性の影響も受ける。

 そこで、住宅の広さ以外の他の条件が同一のときに、広さが居住満足度に与える影響(広さについての係数)を統計的な分析手法(順序プロビット分析)を用いて算出した。

 具体的には、居住面積が20m2未満の場合と比べて、実際に居住する住宅の面積が満足度に与える影響を数値化した。

 その結果をグラフ化したのが下図である。これによれば、40m2台(40以上50未満)の係数の値は0.340であるのに対し、50m2台(50以上60未満)では0.338となった。つまり、50m2を境とした持ち家の居住満足度には、「広さ」という観点から、統計的に大きな差はみられない。

 このことからは、少なくとも居住満足度という観点では、税制上の支援措置が適用される最低面積の基準を50m2に設定することの根拠が明確でない、と言えるのではないだろうか。

〈まとめ〉

 最後に、今回の一連の調査結果から得られた示唆を要約したい。

 若年層の住宅取得を支援するためには、一定のニーズが存在する50m2未満の住宅を税制上の優遇措置の対象に含めることにより、彼らが直面する経済的なハードルを低くすることが有効である。

 そのことは、彼らが望む結婚・育児などのライフイベントを経験する後押しとなり、少子化対策としても機能することが期待される。また、こうした施策は、居住満足度という観点からも十分合理性のある施策と考えられる。

(桑田俊一=不動産流通経営協会専務理事)終わり

 くわた・しゅんいち=不動産流通経営協会(FRK)専務理事。80年建設省(現国土交通省)に入省し、93年住宅局住宅政策課長補佐。その後、04年国土交通省総合政策局不動産業課長、08年住宅局総務課長、09年総合政策局総務課長を歴任。10年厚生労働省大臣官房審議官、15年国交省国土交通大学校校長を経て16年から現職。

 

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