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住宅新報 2018年10月2日 号 18面

売買・賃貸仲介
栃木渡=(株)北工房代表取締役、JSHI理事

栃木渡=(株)北工房代表取締役、JSHI理事

 今年4月1日に一部が改正された宅地建物取引業法(以下、改正宅建業法と略)が施行され、既存建物取引時における媒介契約の際に、宅地建物取引業者は売り手ないし買い手に対して、インスペクション(建物診断)業者のあっせんの可否を示すことが法的に義務付けられました(以下、「宅建インスペクション」と略す)。広義としてのインスペクションが初めて法的に位置付けられたことで、インスペクション・バブルへの期待を抱いた方も多いのではないでしょうか。しかし、このあっせんを受けることができる既存住宅状況調査技術者を私を含めて弊社でも抱えていますが、この宅建インスペクションに関する依頼は今のところ1件もありません。

 知り合いの仲介事業者にこの半年の状況を聞くと、大手の仲介事業者のほとんどがインスペクションの調査会社を系列子会社として設立して、あっせんの依頼があった場合は原則としてその子会社を紹介しているとのこと(現行では資本関係があっても別法人であれば、自社所有の売り物件のインスペクションを系列会社に依頼し、インスペクション済み物件として売却することは違法ではありません)。

 このような業界の動きは半ば予想されていたことです。この宅建インスペクションも住宅瑕疵担保責任保険に加入するために行う建物状況調査(以下「保険インスペクション」)も共に「制度としてのインスペクション」ではあるものの、一般的に浸透していくような仕組みにはなっていないのではないでしょうか。本当に依頼主の利益になっているかどうかも疑問です。今回の法改正により、既存住宅状況調査技術者でなければインスペクションが行えない、という誤解もあるようです。

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