マンションの空き住戸は、定期的に点検しないと、バルコニーの排水口にゴミがつまり水が溜まって漏水、ハトが巣を作ってフン公害、上階から漏水に気付くのが遅れて被害拡大…というような問題を発生させます。
施設入居したり、相続したが空室のまま放置…というような場合、誰かに定期的に住戸の点検をしてもらわなければ困ります。消防設備点検時等の在宅を呼び掛けても、なかなか応じてもらえません。
先日伺った団地では、専有部分の使用細則の中で、人が居住しなくなった時は届け出をして、3カ月に1度は、専有部分などの点検を行い、管理組合に決められた書面で報告することが義務付けられています。さらに、来られない事情をカバーするために、法定点検や緊急修理の際に住戸に入れるように、希望者には、管理組合が鍵を預かって代理で立ち会うことを実施。さらに、3カ月に1度の点検を代行するシステムも構築していました。
では、誰が行うか…です。この団地には、高齢者の生活をサポートする組織があり、ゴミ出し、簡単な清掃、日曜大工、電球交換、薬の受け取り、パソコン調整、買い物、電化製品の簡単な修理、病院付き添い、役所手続きのサポート等、様々なメニューを用意しています。元々、サッシなどの交換工事の時に、専有部分が片付けらない居住者を手助けするためにできた組織が母体で、やる気も経験もある方々が集まっています。顔を合わせて依頼できるよう常設の事務所を持ち、緊急にも対応できる本格的なものです。
よいバランスで
で、この組織を空き住戸の定期点検に活用しようと考えたのです。3カ月に1度の点検を管理組合に依頼すれば、管理組合からこの組織に委託し、代わりに点検してもらうという仕組みです。有償ですが、依頼者にしてみれば、1日つぶして交通費を払って来ることを思えば、ありがたいことです。一方、サポート組織も、この業務で固定的な仕事量と収入が確保でき、安定した運営、ひいては、住民の安心にもつながります。管理組合、外部、内部の区分所有者、すべてにWin-Win-Winの仕組みで、感心しました。人の気持ちと行動とお金が、よいバランスで無理なく回る仕組み…これからの管理組合運営の極意なのかもしれません。
(マンション総合コンサルティング代表取締役)
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