床の間に花や掛け軸を飾る、正月に鏡餅を置くことなど、空間を整え、行事やそこでの振る舞いに意味を与えることを「室礼(しつらえ)」といいます。室礼は「設え」とも書きますが、欧米のクリスマスやハロウィーンのようなイベント目的のデコレーションとは若干異なり、空間と密接な関係を持ち、精神的な側面が小さくありません。
12世紀以降の書物「類聚雑要抄」(平安時代後期の摂関家寝殿の室礼をその実務者が記したもの)や「満佐須計装束抄」(平安時代末期に成立した平安装束に関する指南書)には「室礼」「鋪設」「補理」として、寝殿造などの開放的な空間を「御簾(みす)」「几帳(きちょう)」「壁代(かべしろ=カーテン状の目隠し)」、屏風や衝立などで仕切り、必要な場所に調度を配置して、意味のある「場」を作ることとされます。

























