紙上ブログ不動産屋の独り言460 賃貸現場の喜怒哀楽 坂口有吉 見慣れぬDMに驚き AD、ここまで上昇か
住宅新報 2018年7月10日 号 7面
都内の業者からDMが届いた。見慣れない会社からの郵便物で、内容は賃貸の入居者募集の広告。賃貸の広告がFAXで流れてくることは多いが、郵便で届くのは珍しい。一応目を通しておくかと見てみたら、広告の下部にはAD500%の数字…。私が知る限り、今までの最高は400%で、それを超えてついに500%の大台に乗った。他の物件と差別化を図るといっても、そして、たとえその不動産会社が貸主であったとしても、いくら何でもそれはやり過ぎではなかろうか。
当社の3原則
最近の募集広告ではADが付いてない物件を探すほうが難しいくらいだ。当社は、非核3原則ではないが、「付けず、もらわず、付けさせず」という経営方針。それなので、客付けには苦戦している。
3万円の部屋でも20万円の貸家でも、案内する手間は同じなので、それだったらADの付いていない物件は馬鹿らしくてやってられないと同業者に思われても仕方ないのだが、業者がみんなAD付き物件に走って「AD付きが当たり前」になることは業界の品位も信頼も損ねる。自分たちだけが儲かればよいという姿勢はやがて自分たちの首を絞めることになると思う。どう理由を付けたとしても宅建業法には抵触するのだし。ただ、現状の報酬規程は不動産業界の実情には合わなくなってきているので、まず法律を改正してもらうべきで、順番が違う。そういう観点で言えば、この問題は、「自衛隊や安保法制と憲法の関係」とも似ている。ちなみに、当社でAD付き物件で決まった場合、当社経由でお客さんに還元している。
家主、客の利益は
以前も書いたが、ADを付ける(=家主さんに出してもらう)目的は他の物件と差別化を図ることにあって、全部の物件に付くようになれば次は%(パーセンテージ)の争いになる。早く客付けするため、といえば聞こえはいいが、相互扶助であるかのように互いに儲けられるシステムを構築しているのに他ならない。ADによって、家主と客と不動産会社の三者の中で利益を受けるのは不動産会社だけなのだし。第一、広告料だの業務委託料だのとどんな理由を付けたとしても、本来仲介料に含まれているはずのものである。
(坂口有吉不動産・社長)
























