高齢期の自立生活への備え 男女でギャップ目立つ 老いの工研調査
住宅新報 2018年7月10日 号 5面

高齢期の自立生活への備えとして、必要だと思うこと
高齢期のライフスタイルの充実に関する調査・研究・提言を行っているNPO法人老いの工学研究所(大阪市)はこのほど、世代間・年代別による生活意識や制度への要望などの差を明らかにすることを目的に「高齢期の自立した生活」に関するアンケート調査を実施し、結果を公表した。
回答者は65~91歳までの男女263人(男性114人、女性149人)と老人介護施設職員64人。3月25日から5月20日までの期間に郵送でアンケートを実施した。
「高齢者の自立生活への備えとして、必要だと思うこと」を聞いたところ、男女差が最も大きかった項目は「既婚。世話をする配偶者がいること」で、男性65.0%、女性35.6%だった(下表)。同研究所では、「男性の3人に2人が家事や身の回りのことを自分で行う自信がなく、高齢期に配偶者がいないと困る状況と考えられる」としている。
一方、女性の回答が多かった項目は「子や親族と良好な関係」(男性77.0%、女性83.2%)、「人との交流がある環境で暮らす」(同82.0%、同91.3%)。女性のほうが人間関係を重視する傾向がうかがえる。
介護施設職員にも同様の質問をして、高齢者の回答と比較した。それによると、最も差が大きかったのは「既婚。世話をする配偶者がいること」で、介護職員59.7%、高齢者47.2%。その差は12.4%だった。次いで「子や親族と良好な関係」が9.1%の差(同90.2%、同81.1%)、「人との交流がある環境で暮らす」が7.8%の差(同95.2%、同87.4%)。一方、「貯えがあること」については、介護職員のほうが比率が低く、介護職員88.7%、高齢者96.9%だった。介護職員は高齢者が十分な資金力で暮らしていくより、良好な人間関係構築に期待していることが分かった。
こうした結果を受けて同研究所では、加齢への正確な理解の促進や世代間交流機会の一層の拡充と認識ギャップの解消、「引退・隠居」という前時代モデルからの脱却による「生涯現役志向」への意識改革などが今後の「超高齢社会を迎えての課題」になると分析する。
今後も同調査を継続し、詳細データの蓄積を図ることでシニア向けなどの住宅づくりなど多様な面で活用できるビッグデータ化に取り組む。





















