紙上ブログ不動産屋の独り言454 賃貸現場の喜怒哀楽 坂口有吉 15年ぶりに会った青年のその後 景気のいい言葉は偽りか
住宅新報 2018年5月29日 号 7面
以前記事にしたロシア人の母親と日本人の父親から生まれた青年の話。歌舞伎町のホストクラブで「月収1000万円を稼ぎ貯金も1億円ある」とのこと。子供の頃からの変貌ぶりに驚いていたが、とにかく金遣いが荒く、通帳は母親がしっかり管理していると聞いて安心していた。そうは言っても蓄えがなくなるのは時間の問題。それならば一軒家でも購入して、人に貸せば毎月15万円くらいの安定収入にはなる。そう思って提案しようと考えていて、街でバッタリ母親に会ったので話してみた。
友人と飲み歩き
すると、驚くような話をする。「息子の最高月収の話も貯金が1億円ある話も全部うそです。実は精神障害で、治療を受けています。あちこちに景気のいいうそをつき、先日も友達3人とキャバクラに行って『俺はブラックカードを持っているから』とドンペリを開けて25万円も飲み食いして、会計する際に『ちょっとトイレに行く』と言って逃げ出したんです。後で友達が家にやって来て、ドアを叩いて『25万円払えよ』と騒いで大変だったんです」というのだ。不動産会社に高額物件を押し付けられないようにと母親が私に嘘をついているとは思えない。我が子を「ホストクラブで働いていても50万円だって稼げないでしょう」と涙ながらに語る。統合失調症のようで、以前一緒に私の店に来た彼女もまだそのことは知らないようだ。うそだと知っていたら、私と彼との会話を聞いて表情が変わっただろう。私は堅実そうな彼女の表情を見ていて「うそではなさそう」と信じてしまったが、この場合、母親の言葉のほうが信じられる。悪く考えれば、男のうそに気が付かず、「金目当て」で付き合っているとも考えられる。どう考えても不釣り合いだから。
























