日本財託セミナー「民泊解禁の表と裏」 心理的不安が問題の根本 規約改定は賃借人にも通知を
住宅新報 2018年5月8日 号 5面

区分マンションオーナーの民泊への関心は高い(日本財託セミナーで)
投資用区分マンション販売の日本財託(東京都新宿区)はこのほど、同社でマンションを購入した投資家向けに「待ったなし! 民泊解禁の表と裏」と題したセミナーを開いた。講師は、マンション管理士で、管理組合運営のアドバイスを手掛けている飯田勝啓氏が務めた。民泊の将来像として「確実に社会に定着していく」としたうえで「良好な居住環境をどのように維持していくかがポイントになる」との考えを示した。
民泊については6月15日に新法(住宅宿泊事業法)が施行されるが、区分マンションオーナーにとっては、建物内の別の部屋を民泊として使われると、不特定多数の観光客が出入りすることになり、賃借人が不安を感じて退去してしまうとの懸念がある。一方で、新たなビジネスチャンスとの見方もある。当日の参加者の意向としては、民泊反対派が9割、推進派が1割だった。飯田氏は、講演の前半は〝反対派〟向けに現在の民泊関連のトラブル事例や管理組合としての対処方法を解説し、後半は〝推進派〟向けの情報を提供した。
飯田氏はまず、管理組合からの相談事例を紹介し、「民泊の苦情として、騒音やゴミ出しもあるが、圧倒的に多いのは宿泊行為。つまり見知らぬ外国人の出入りなど心理的不安だ。これが問題の根本であり、この不安を解消するには、民泊を禁止するしかない」と述べた。そのためには、管理組合としては管理規約を改定することが必須であり、その文言案を紹介した。更に同氏は「規約改定後の対応が重要」と指摘。禁止した旨を組合員だけでなく賃借人にも通知することや、専有部使用細則にも「不特定者への鍵の授受の禁止」といった内容を盛り込むことが必要とした。違法民泊対策としては、管理組合、管理会社、組合員(居住者)、賃貸の場合の貸主――4者が一体となって日々の巡回や不審者の通報などを行うことが重要であり、悪質事業者の場合は、防犯カメラや利用者への聞き込みなどで証拠を積み上げていくことが有効であると述べた。
家主同居型に可能性
後半は「民泊ビジネスは成功するのか」がテーマとなった。飯田氏は、新法や各自治体の条例で定められている営業日数、近隣トラブルの可能性を考えると、「家主不在型ではリスクが大きい。家主居住型、例えばホームステイでの受け入れや、子供が巣立った後の夫婦が生きがいとして取り組むならば可能だと思う」とした。
更に、今後の民泊について、大手数社が参入を表明していることから「徐々に民泊の管理強化やコンプライアンスの徹底が進み、シェアリングエコノミーの定着と相まって、確実に社会に浸透・定着していくだろう」とも述べた。そして最後に、自身の海外での民泊経験を紹介し、「ホテルでは味わえない体験ができた。ルールが守られるならば最高の宿泊先だ」と話した。





















