日本リビング保証社長安達慶高氏に聞く 「住宅事業者と共に成長を」 東証マザーズ上場、ミドル層へ拡販視野 住まいのメンテ、トータルに
住宅新報 2018年5月1日 号 7面

「住宅事業者のパートナーとして成長していきたい」と安達社長
――上場の狙い、タイミングについて。
当社は09年3月、住宅設備の延長保証会社として創業した。現在、約3500社との取引があるものの、売り上げの9割は大手との取引だ。上場によって社会的な知名度と信用力の向上、優秀な人材の確保に努め、今後は中堅・中小企業へシェアを拡大したい。
――他社との差別化は。
当社の強みは、保証、検査・補修、電子マネーという3つのサービスを組み合わせた「おうちまるごとソリューション」だ。住宅のメンテナンスが必要なあらゆる場面にワンストップで対応できる上、これを住宅事業者に提供する。BtoBtoCの事業スキームをとることで、住宅事業者は日々の小さなメンテナンスを当社に外注化できる上、(住宅オーナーから)10~20年後に訪れるリフォーム等の獲得が可能となる。いわゆるOB顧客を収益化できるプラットフォームとなっている。
更に、当社は大手損害保険会社や瑕疵保険法人などとパートナーシップを築き、その組織力、販売力を活用した効率的な営業活動を展開している。
――成長の振り返りと現在の立ち位置について。
当社の転換点は3つ。まず09年の創業時。住宅設備機器の保証期間を10年に延長する「住設あんしんサポート」は創業以来の主力サービスだ。現在も売上高の4割を占め、これまでの契約機器数は90万件に上る。
2つ目は、12年1月に仲介事業者向けに既存住宅取引時に検査・保証する「売買あんしんサポート」を販売。導入後、東急リバブルや野村不動産アーバンネットなど大手に広がり、現在では主要20社の7割と取引がある。
3つ目は、13年11月に三井不動産レジデンシャル向けに始めた積立型メンテナンス保証サービスを汎用化し、「住設あんしんサポートプレミアム」として提供している。OB顧客に対して、住宅設備機器の無償修理、定期訪問、更に「おうちポイント」という電子マネーを加えたトータルメンテナンスサービスだ。たまったポイントはリフォーム資金として使うことができる。当社が日々の点検・小修繕などを担い、大型のリフォーム案件はトスアップして事業者に返すため、住宅事業者としては将来のリフォーム需要の囲い込みができる。
なお、当社の18年6月期の売上高は11億8200万円(前期比14.6%増)、経常利益は1億1100万円(同45.8%増)を達成する見込みだ。
――今後の成長戦略は。
保証サービス導入の可能性が一番高いのは物件購入時。そして、物件に不具合があったタイミングと続く。
短期的には新築市場と既存住宅流通市場のシェア拡大を念頭に置き、中堅・中小の住宅事業者へ拡販する考えだ。例えば、新築市場では年間の新築住宅戸数を全体で90万戸とした場合、ミドル層(年間30戸以上1000戸未満)が占める割合は約30万棟と推測され、このうちの5%程度(約1.5~2万棟)にサービスを提供したいと考えている。このとき、協業パートナーの営業力を活用する。
また、中長期的には物件引き渡し後10~15年のOB顧客を獲得し、住宅ストック市場向けサービスを拡充する。売上高、利益共に毎期20%の成長を目指す。
――今後の不動産市場をどう見るか。
今回のマザーズ上場によって問い合わせ件数も増え、保証業に重要な信用力の獲得に手応えを感じている。
住宅事業者の戦略的パートナーとして共に成長していくためにはサービス開発が必要であり、優秀な人材の獲得は不可欠だ。営業面ではコンサル力、企画提案力を重視し、金融業や不動産業出身者を中心に中途採用を継続している。また、年間3人をめどに新卒採用も行っている。当社ではアフターサービスに対応するコールセンターに、不動産や建築に特化した専門家を配置していることも強みだ。住宅事業者とオーナーの未来づくりに貢献していく。























