建築デザインには有機的と無機的があります。無機的デザインの代表はバウハウスに源を発する、シンプルでクリーンなデザインです。北欧のモダンスタイルや現在我々が目にするオフィス、ショップ、住宅で最も多いスタイルが、この無機的デザインです。
有機的デザインは植物や動物、自然造形に似せた、プリミティブなデザインが始まりで、ほとんど人類の進歩とともにあるデザインスタイルともいえますが、これを意識的にデザインソースに取り入れたのがフランク・ロイド・ライトです。ライトはシルエットが水平に伸びる「プレイリースタイル(草原様式)」というデザインを用い、スキップフロアやオープンな階段、ドアを用いないインテリアを巧みに使い流動的・有機的に結びつく空間構造を特徴としていました。
そのライトの弟子で、師匠の影響を強く受けた建築家に「アーコロジー」という概念を打ち立てたパオロ・ソレリ(伊・1919~2013年)がいます。アーコロジーとは建築(architecture)と生態学(ecology)の合成語で、その意味は「完全環境都市」、すなわち高い人口密度で居住が提供される、自己完結的な建造物を指します。アリゾナの砂漠に移住したソレリは1970年代から「アーコサンティ(Arcosanti)」という実験都市を建設します。その理念は「都市構造は小型化、高密度化されるべきであり、生態学的に適正な性格と規模と『自然』な景観を保ち、システムのエネルギー浪費防止のための多層化、高密度化、複雑化と凝縮化によって超構造化した巨大な単体構造物を目指している」としています。

























