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プレミアム会員限定紙上ブログ不動産屋の独り言445 賃貸現場の喜怒哀楽 坂口有吉 別れても思い合う二人 すれ違い、なかなか埋まらず

住宅新報 2018年3月27日 号 7面

連載: 不動産屋の独り言 〜賃貸現場の喜怒哀楽〜

資格・実務

 以前、大震災の直後に更新契約に来た70歳くらいの男性Aさんについて書いたことがある。離婚した後に起きた地震で「地震を異常に怖がる奥様(Bさん)」を気遣っていた話だが、その続編だ。先日、更新契約に来た際もAさんは「あの人は元気かな」と心配していて、私が「2週間に一度くらいは街ですれ違います。以前と変わらず元気そうです」と伝えると、「それならいいが、あの人も寂しがり屋だからさ」とのこと。たまたま、そんな話をしていたら、店の前の通りの向こう側をBさんが駅方向に歩いていくのを見掛けた。「あれ、Bさんじゃないですか」と言うと、Aさんは外を見て、「本当だ。元気そうだね」と喜ぶ。

人の良さが原因

 「まだ前のマンションにいるのかな。電話したけれどつながらないし」と言うので、「では、今度会ったら『心配していましたよ』と伝えましょうか」と言うと、「そうしてもらえるかな」とのこと。翌日、Bさんにばったり会ったので昨日の話を伝えると、「電話番号も住所も変わっていませんよ。あの人、元気でしたか」とBさんも相手を心配しており、「では私から近いうちに電話してみます」とのこと。実は、その二人も私と同じく29年間の夫婦生活の後に離婚している。離婚はBさんから突然切り出されたもので、ご主人であったAさんはどうして離婚することになったのか全く分かっていないようだった。そのことを元奥様のBさんに伝えると、笑って、「あの人は若い女の人からお金のこととか頼まれると断れなくて何度も失敗しているの。性分だから直らないし、そういうのを見るのが嫌になったから」とのこと。性格が強いBさんは理由を何も伝えていなかったようだ。

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