紙上ブログ不動産屋の独り言443 賃貸現場の喜怒哀楽 坂口有吉 意外だった値下げ交渉 長期経営は家主の手腕
住宅新報 2018年3月13日 号 7面
当社で新築の時から30年近く管理しているマンションがある。築30年ではあるが、定期的にしっかりメンテナンスがされているため、築年数から想像されるような劣化は見られない。家主さんも、賃貸業が何たるかをよく理解していて、掛かる経費を出し惜しみするようなことは一度もない。家賃は相場より高めであるから、一度空室になると半年や1年間決まらないということもあるし、日当たりが良くない1階の部屋が空くと2年間も次の入居者が決まらなかったりする。それでも「うちは『この条件でいい』と言ってくれる人が現れるまで待ちます。そのことで坂口さんを責めるようなことはしませんから心配しないでください」と仰るのだが、そうは言われても気にはなるものだ。
住み替え支援
そのマンションに新築の時から入居している女性Hさんがいる。最初は最上階の2DKに入居していたが、荷物が増えたので途中で2階の3DKに移った。更に、定年退職するにあたり「老後のことを考えて、もっと家賃の安い部屋に引っ越そうかな。荷物も処分するので適当な1LDKがあったら紹介してください」との相談を受けた。それは有り難いのだが「また空室が出る」というのは私にとって恐怖である。1階の2DKの部屋が空いているし。そこで、一か八か家主さんに現在の部屋(2階の3DK)の家賃を値下げして頂くよう交渉することにした。不調に終われば双方からの信用を失うことになるが。タイミングを計って慎重に家主さんに相談すると、「Hさんは新築の時からずっと入っていてくださるし、引っ越されればリフォーム代だって掛かるのだから、このまま入っていてくれるなら値下げしますよ。どれくらいを希望してらっしゃいますか」とのこと。
























