紙上ブログ不動産屋の独り言441 賃貸現場の喜怒哀楽 坂口有吉 生活保護受給者からの相談 子の入院、支払遅れを心配して
住宅新報 2018年2月27日 号 7面
多摩郊外のアパートに母子家庭の生活保護受給者が入居していて、先日、相談の電話があった。お子さんが昨年の暮れから入院していたそうで、「入院や施設への入所が3カ月続くと障害者手当がいったん打ち切られてしまう。しばらく家賃が払えなくなってしまうので、どうしたらいいか」とのこと。かなり憔悴しきっている様子。ただし、改めて申請し直すと3カ月後に停止した月の分までさかのぼって支払われるので、問題は、家主さんが支払いを待ってくれるかどうかだけの話。それならば心配はない。
家主も了承
どの家主さんもそうだが、いつ支払えるかが分かっているなら快く待ってくれるもの。ましてや生活保護受給者であって、支払うのが役所ということであればこれ以上の安心はない。私がまず家主さんに連絡して事情を説明すると、思った通り「大丈夫ですよ。いつも月末か月初めにはキッチリ家賃を届けてくださっているので信用していますから」とのこと。それをそのまま本人に伝えずに、「家主さんは問題なく了解してくれるでしょうから、心配せずに直接家主さんに相談してください。そういう話は私から伝えるより、ご本人から直接相談して頂いたほうが家主さんも喜ぶと思いますから」と伝えると、安堵していた。後日、「家主さんに相談したら快く了解してくださいました」と嬉しそうに電話をくれた。
管理会社として
以前、こちらのブログで書いているが、一緒に暮らしている男性と連絡がつかなくなって、困り果てて私に相談してきた女性でもある。その時はずいぶん経ってから、男性から連絡があり悪意ではなかったと判明した。だが、世界の裏側からでも電話できる時代に「連絡をしないで長く家に帰らなければどれだけ心配するか」ということに思い至らないような男性がこの母子を幸せにできるはずもなく、よほど「諦めたほうがいいのでは」と言おうかと思った。最近の電話のやりとりではその男性の話は出ないから、もう別れているのかもしれない。世に生活保護の不正受給者は多いが、福祉のお世話になっていることを気にしながら生きていて、誰かにすがっていなければ生きていけない人だから、管理会社としてはお役に立ちたいと思う。
(坂口有吉不動産・社長)
























