不動産取引現場での意外な誤解 売買編110 借地人が建てた建物でも一括競売できるか?
住宅新報 2018年2月13日 号 8面
連載: 不動産取引現場での意外な誤解
Q 今回は「一括競売」の話をお伺いします。
A 前回の話では、土地の所有者が土地に抵当権を設定したあとに自ら建物を建てた場合にも、土地が競売されたときは建物のために「法定地上権」が成立するのかということでしたので、「成立しない」と答えました。その理由として、土地に抵当権を設定した際に、建物がまだ存在していない(土地・建物が同一の所有者に属していない=法定地上権の発生要件を満たしていない)からですが(民法388条)、実務的にも、そのような場合には通常抵当権者は土地の所有者(債務者)に対し、その後に建てる建物も追加担保として抵当権を設定するように約定するのが一般的ですから、土地だけが競売に付されるということは通常考えられないからです。
ところが、すべてのケースでそのような追加担保の約定が守られるとは限りませんので、土地だけが競売に付されることもあるわけです。例えば、土地の所有者がその抵当地を第三者に賃貸してしまうようなケースです。そこで、民法はそのような場合に備えて、土地と建物を一緒に競売に付すことができるようにしたのです。なぜならば、その方が競売がしやすく、抵当権者にとっても都合の良いことが多いからです。
























