ブランド・ノウハウ・ネットワークで後押し 開業の味方となる不動産FC 会員獲得へ各社サービス拡充
住宅新報 2018年1月30日 号 1面

全国大会ではFC加盟店同士の団結を誓った(ERA全国大会、17年7月名古屋で)
「住」の総合サービス
LIXILグループのLIXILイーアールエージャパン(ERA、東京都中央区、斎藤雄二社長)は、日本初の不動産FCだ。ITを駆使し、世界32の国・地域に広がる不動産ネットワークに約2600店舗が加盟している。
同社が昨年7月に名古屋で開いた全国大会では、斎藤社長が、「LIXIL不動産ショップという店舗ブランドを掲げ、過去最高の加盟を達成した」とあいさつ。全国から集まった加盟店約1000人を前に、強化項目として、(1)対面接客スキル向上や遠方加盟店に対応した「研修」、(2)インスペクションから瑕疵保険、積立保険まで中古住宅流通のための「ワンストップサービス」、(3)不動産学部を有する明海大学など産学官連携を推進する「グループ信用力・ブランド」を挙げた。
1月11日に開かれた経営トップセミナーでも、人口減少や法改正など不動産業界を取り巻く様々な環境の変化をチャンスと捉え、「賃貸、売買、リフォーム、コンサルティングなど地域に貢献し、住まいに関するあらゆるニーズに対応する『住生活総合サービス業』を目指す」と呼び掛けている。
〝質〟の徹底強化へ
センチュリー21・ジャパン(東京都港区、長田邦裕社長)は18年3月期中間決算を踏まえ、量から質への追求に舵を切った。同社は83年、伊藤忠商事が米国のセンチュリー21と提携し設立。世界76カ国、7000店舗という不動産仲介ネットワークを有する。
17年3月期(単体)は過去最高収益9億4000万円を達成したものの、18年3月中間期では期初の大型加盟店の退会等により、売上高が19億8900万円(前年同期比1.7%減)、営業利益は6億1400万円(同9.6%減)、当期純利益は4億4000万円(同9.5%減)と反転。17年9月末時点の加盟店は915店舗で、前年同期比9店舗増。一方、期初の退会予想(20店舗)を上回る37店舗が退会し、想定外だった17店舗のほとんどが首都圏。営業社員の離職による業績悪化、業態を変えて仲介業を離れたなど、加盟店の厳しい現状が浮き彫りになった。特に「加盟店内での二極化が進み、上位は10%の伸び率で成長する一方、中位以降の苦戦が目立つ」(長田社長)と分析し、賃貸研修メニューや人材採用支援など、既存加盟店に対するサポート強化が急務となった。
同社は、今年1月から加盟店の業績向上指導に特化した専門チーム「FCコンサルティング室」を開設した。従来、フィールドサービス部が担ってきた加盟店支援機能と、トレーニングサービス部の研修機能の補完・橋渡し的役割も担う。加盟店は、無料でフルオーダー型の営業指導や従業員教育などの個別コンサルを受けることができる。
地域の一番店を
イエステーション(東京都新宿区、藤本隆社長)は、不動産売買に特化したFC。地域で一番を目指すランチェスター戦略を武器に「売り」客に狙いを定めた定期チラシの投下などが特徴だ。17年度中間期では加盟店136店舗(前年同期比6店舗増)、総仲介手数料31億8200万円(同6.6%増)となった。
特定エリアで確実に〝勝つ〟ため、加盟店同士で成功事例や失敗要因を共有する。創立メンバーのアドレス(福島県いわき市)の高尾昇社長は「本部からのトップダウンではなく、加盟店同士が積極的にノウハウを作り上げる仕組みが強み」と話す。同社はFC加盟当時約3900万円だった売買仲介手数料が16年に3億9500万円と約10倍に増加。全国の加盟店による手数料年間売り上げでチャンピオンを続々と輩出している。
不動産コンビニ構想掲げる エージェント制も始動
ハウスドゥ(東京都千代田区、安藤正弘社長)は、16年12月に東証マザーズから東証一部に市場変更し、加盟店増加や金融機関の評価につなげている。不動産コンビニ構想を掲げ、不動産セクターのSPA(製造型小売業)戦略として、自社ブランドと他社ブランドを織り交ぜて展開。自社の強みを、地域密着の「信用」「全国対応」「査定力」「販売力」と分析し、(1)1000店舗達成、(2)不動産ソリューションによる地域格差の是正、(3)CM4倍、(4)アジア展開――の4つを目指す。
18年6月期第1四半期決算(連結)では、FC事業が都市部の不動産業者への加盟促進、加盟店フォロー体制の構築などによってセグメント売上高5億9500万円(同23.0%増)、同利益は3億8200万円(同32.3%増)と好調。17年12月末時点で加盟501店舗を達成した。なお、同社は中計でストック事業への転換を掲げ、ハウス・リースバック事業における収益不動産購入、不動産金融事業における不動産担保融資を強化している。
12月には不動産流通先進国の欧米をモデルとしたエージェント制度も導入した。「経営者の悩みは営業の採用。数年かけて育てた人材が他社に転職し、非効率、生産性の低い業界になっている」(安藤社長)。同社と業務委託契約を結ぶことで、同社が持つ様々な経営資産を活用しながら個人事業主として不動産取引可能になる。1月11日に行われた第1回採用説明会には約30人が参加。加盟店との連携や経費負担に関する参加者からの質問に対し「報酬、規定など3タイプを想定し個人面談で詳細を詰める。加盟店と共存するガイドラインを今後作成していく」(同)とした。
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不動産売買仲介のFCは、他のFCとの競争、特にIT技術の進展と法改正や制度改定など目まぐるしい業界の動きに迅速に対応し、加盟店の信頼を得ていかなければならない。各社の特徴的なサービスや教育によって、不動産業界の底上げが行われることを期待したい。























