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プレミアム会員限定紙上ブログ 不動産屋の独り言434 賃貸現場の喜怒哀楽 坂口有吉 対照的な家賃滞納者 信頼・努力が大きな差に

住宅新報 2018年1月9日 号 7面

連載: 不動産屋の独り言 〜賃貸現場の喜怒哀楽〜

資格・実務

 二人の対照的な家賃滞納者がいる。一人は、多摩地域の古い1DKのアパートに入居している独身男性。和風レストランや居酒屋の調理師として生計を立てていて、私とは20年以上の付き合い。以前は結婚していて当社管理の上等な2DKのアパートに入っていたが、離婚して生活が一変した。

酒依存克服へ

 酒におぼれるようになったのだが、元々人柄は悪くないので、家賃滞納が始まったのを機に当社で管理する今のアパートに移ってもらった。家賃は半額ほどになったが、毎月支払えるかどうかは正直不安ではあった。家主さんには事情を話し、「何かあったら私が責任を取りますから」と言って任せていただいたが、実の姉と私と一緒にアルコール依存症のカウンセリングを受けに行ったりもした。

 もう一人は、都内の板橋にある貸家に入居した家族で、契約者は保母さんである奥様。最初の月から家賃が少しずつ遅れ始めて、1週間、半月、1カ月と遅れていき、4カ月目の今は1カ月以上遅れている。それも、こちらから請求しないと振り込んではこない。問題は、私が何度電話をしても一切出ないということ。留守番電話に「連絡をくれるよう」録音しておいても、メールでそうお願いしても、折り返しも返信も一切ない。仕方なく連帯保証人に「本人から連絡くれるよう伝えてほしい」と依頼しても一切無視を決め込んでいる。もしかすると、夫が問題なのかな、と思う。

連絡もとれず

 一度だけ連絡をくれたことがあって、その際に「家賃は月末までに翌月分を支払う約束になっています。連絡をいただけないと信用問題になります。何かあった際、そういうのは借主さんにとって不利益につながると思いますよ」と言ったら、「確かにそうですね、気を付けます」と言っていた。だが、家賃の遅れはひどくなるばかりで、このままでは「連絡をくれないことで信頼関係が崩壊した」という初めての理由で更新契約をしないことになるかもしれない。一方で前者の男性、今は毎月2カ月分ずつを振り込んで何とか追いつかせようと努力していて、振り込んだらすぐに私に「今2カ月分を振り込みましたので」と連絡をくれる。長い目で見たらどちらが得するか、言うまでもない。

  (坂口有吉不動産・社長)

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