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スタンダード会員限定18年市場も「適温相場」 不動研・不動産エコノミスト吉野薫氏予測 オフィスビル大量供給が後ろ倒しに 金融緩和続き、賃料も底堅さ

住宅新報 2017年12月12日 号 4面

マンション・開発・経営

 日本不動産研究所の吉野薫・不動産エコノミストは12月8日、東京・有楽町の有楽町朝日ホールで「2018年の不動産市場」と題して研究報告した。18年の市場見通しについては17年と同様、緩やかな回復が継続する「適温相場」と予測した。

 東京のオフィスビルの大量供給が全般的に後ろ倒しされることに加え、金融緩和も継続される見通しであることが背景にあり、これまで指摘していた「18年潮目説」は撤回した。また不動産市場の変化について「いつ頃やってくるのかという議論があるが、少なくとも18年にはやってこない」と話した。

 17年の不動産市場については(1)実需の底堅さによる賃貸市場の引き締まりが寄与している、(2)投資家による投資意欲が利回りの低下に反映されている、(3)デッドファイナンスの状況も緩和的だった――ことで緩やかな回復基調が継続。一方で市場の過熱を示す兆候は見られず、不動産市場は好調だが過熱ではない「適温相場」だったと総括した。

 18年は実体経済の底堅い動きもあり、不動産市場は引き続き「適温相場」が継続すると予測。(1)利回りは低い状況が継続(一部の強気なプレーヤーが相場のけん引役となる動きも)、(2)実需賃料は緩慢ながら底堅い動きを続ける、(3)そのため資産価格も緩やかな上昇基調が続く公算が大、(4)立地に対する志向が引き続き強まる(二重に進行する地価の二極化)――とメインシナリオを描いた。

 緩和的な金融環境を背景に、物件取得意欲が高い状況は変化しないこと。また、過度な楽観が蔓延し、市況が過熱する可能性は低い(多くのプレーヤーは冷静な態度を堅持する)ことを前提とした。

 リスク要因として挙げたのは、偶発的なリスクの顕在化がデッドのアベイラビリティ(必要な時に利用可能な状態)を損なわせ、不動産取引市場の流動性が枯渇すること。資金調達に異変が起こることで、急速に資産価格が調整を受ける結果となることが予想されるとした。ただ、価格調整局面が訪れるとしても危機的状態は短期的に収束する可能性が高いとしている。

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