生産緑地22年問題 「大量宅地化の可能性低い」 新たな賃借制度に期待も 都市農地活用支援センター講演会
住宅新報 2017年11月14日 号 5面

定期講演会の様子
都市農地活用支援センター(東京都千代田区)はこのほど、都内で定期講演会を開いた。冒頭、同センター担当者が、今春改正された生産緑地法の概要や、現在検討されている都市農地の賃借制度などを説明。次いで、横張真・東京大学大学院工学系研究科教授が「都市縮退と今後の都市農業」について、大木祐悟・定期借地権推進協議会運営委員長が「定期借地権制度の概要と農地に係る借地制度」をテーマに講演した。
生産緑地は今、「22年問題」とも呼ばれ、その行方に注目が集まっている。5年後の22年には現在指定されている生産緑地の大半が解除時期を迎えるため、それらが宅地として大量供給され、地価が下がるのではと懸念する声があるからだ。それについて、大木氏は現時点で「一斉に宅地化される可能性は低い」との見方を示した。その理由として次の2点を挙げた。1つ目は、今回の生産緑地法改正で特定生産緑地制度が創設されたこと。これは、現行の生産緑地指定30年経過後も、10年単位で延長できる制度であり、「積極的に宅地化を希望しない限りは、生産緑地を継続する可能性が高い」(大木氏)という。
2つ目は、相続税の納税猶予。生産緑地は原則として30年間は農地からの宅地転用が認められていない一方で、相続税の納税猶予が受けられる。当初、土地所有者が生産緑地を選択した大きな理由の一つがその納税猶予だったという。生産緑地を解除した場合は、猶予税額に延滞税も加算されるため、「現実にはその選択は困難だろう」(大木氏)と述べた。





















